親の遺産が隠されたらどうする?大切な遺産のリサーチ方法を徹底解説

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親の遺産が隠される不安を防ぐ調査をする場合、預貯金や不動産以外にデジタル資産の確認も大切です。デジタル資産に関しては専門家へ相談することも検討しましょう。

「亡くなった父とは同居していなかった、遺産がきちんと分配されるか心配だ」

「亡くなった母はもっと財産をもっていたはずなのに、遺産がなくなっている」

家族が亡くなり相続が開始されると、被相続人(故人)の財産を相続人間でどのようにわけるのか、話し合う必要があります。(遺産分割協議)

しかし、親が亡くなった時は子の間で相続トラブルが起きやすく、「財産が隠されているのではないか」と疑いたくなることが少なくありません。

そこで、本記事では、相続トラブルを未然に防ぎ、隠された遺産を見つけるための具体的なリサーチ方法を解説します。さらに、親が元気なうちにできる準備についても詳しく紹介しますので、ぜひご一読ください。

(※本記事内では相続財産について、遺産とわかりやすく表記しています)

目次

なぜ親の相続時には遺産が隠されやすいの?

親が亡くなった場合、多くのケースでは残されたもう一方の親(配偶者)と子が法定相続人として相続手続きを進めます。この時、亡くなった親と同居していた子と、非同居の子との間で親の遺産をめぐって衝突するケースが少なくありません。

では、なぜ親の相続時には遺産が隠されやすいのでしょうか。主な理由は以下の2つです。

介護・扶養をしていた子が親の遺産を日常的に利用していた

親と同居し、介護や生活のサポートをしている子は、親の口座から生活費を支払ったり、医療費や住宅費を立て替えたりすることが一般的です。日常的に親の現金や預貯金通帳を管理している場合、相続開始後に使い込みや財産の隠匿が疑われ、他の相続人との間でトラブルになることがあります。

例として、入院費や介護費用として親の口座から現金を引き出していた場合、使った金額を正確に記録していないと「勝手に使われた」と非同居の子から疑われる原因になります。

贈与契約書を交わしていない金銭のやり取りが多い

もう1つの理由には、親と子の間で金銭のやり取りを正しく記録していないケースが多いことです。特に同居している子には、「生活費」「医療費の立て替え」など、口頭だけでやり取りしている場合があります。

こうした金銭のやり取りは額が大きい場合には贈与とみなされ、相続税の課税対象に含める必要があるケースがあります。

非課税枠内での生前贈与であっても、契約書や記録を残しておかないと、後日税務署や相続人との間で確認が必要になることがあります。

親の遺産が隠されている?正しい遺産のリサーチ方法とは

親の相続において、「遺産が一部隠されているのではないか」と不安になるケースは少なくありません。親の遺産を相続する際には、遺産分割協議の前に遺産総額の種類や総額を把握し終えておく必要があります。

後から遺産が発覚すると、遺産分割協議をやり直す必要が生じたり、相続税などに影響するリスクもあるためです。

そこで、この章では基本的な親遺産について、正しいリサーチ方法を解説します。

預貯金通帳や家計簿、医療関係の支払い記録を確認

親の遺産が隠されていないか、しっかり調べるためには「日常的に利用していた財産や支出の記録を整理すること

が重要です。

  • 預貯金通帳
    親の銀行口座を洗い出し、残高や過去の取引履歴を確認します。ネットバンキングや証券口座も対象にしましょう。意外な口座が存在することもあります。
  • 家計簿や領収書
    親が家計簿をつけている場合、現金支出や引き落としの記録から、見落としている資産や貸し借りの手がかりを得られます。高額支出の領収書も、相続財産の範囲を把握する手助けになります。
  • 介護や医療関係の支払い記録
    高額医療費や介護費の支払いは、遺産の中での現金の動きと密接に関わる場合があります。確認しておくことがおすすめです。

貸金庫や不動産の見落としも注意

財産の中でも、現金や預貯金以外の遺産は見落とされやすく、相続後に問題になることがあります。

  • 貸金庫の契約書親が貸金庫を契約していた場合、中には現金や貴重品、株式関係などの重要書類が保管されていることがあります。契約状況や鍵の保管場所を確認し、必要に応じて中身を把握しておくことが重要です。
  • 不動産の探し方不動産は固定資産税納税通知書だけではなく、名寄帳もあわせて確認することで、親名義の不動産が漏れなく把握できます。特に居住地以外にも不動産を持っている場合、名寄帳による把握を検討することがおすすめです。

デジタル資産を見落とさない

近年は、財産の多くがデジタル化しています。これらは従来の方法では見つけにくいため、専門的なリサーチが必要です。

  • ネット銀行・ネット証券・仮想通貨ウォレットネットバンキングや証券口座の存在は、通帳や紙の証券で確認できないことが多いため、ログイン情報やメール履歴などから手がかりを探す必要があります。
  • 電子マネー・ポイント・暗号資産暗号資産は相続財産として扱われますが、電子マネーやポイントは事業者の規約により相続できない場合があります。暗号資産は必要な情報が揃っていなければアクセスできないため、デジタル資産に強い弁護士や専門家の助けが不可欠です。
  • クラウドストレージやメールアカウント財産の情報はメールやクラウドに保管されている場合があります。例えば金融機関からの通知や契約書が残っている可能性があるため、端末やクラウドのログイン情報もチェック対象となります。

遺産の見つけ方に困ったら?実際の相談事例とは

被相続人の遺産は相続人自身が独自で調査することも可能ですが、デジタル資産など調査がしにくい財産もあります。この章ではデジタル資産の調査に精通する株式会社Goodreiが実際に対応した事例を紹介します。

長年疎遠だったご兄弟のデジタル資産を発見できたケース

依頼の経緯

ご依頼者様は、亡くなった50代の兄の唯一の相続人である弟様でした。ご兄弟は長年疎遠であり、被相続人の交友関係や生活状況、特に資産に関する情報を全く把握していない状況でした。当初は相続放棄も視野に入れられていましたが、まずは資産状況を正確に把握したいとのことで、弊社にご相談をいただきました。

調査対象と調査内容

弊社では被相続人様所有のパソコンとスマホをお預かりしました。

  • 被相続人所有のWindowsパソコン 1台
  • 被相続人所有のスマートフォン 1台

ご依頼時点で被相続人が亡くなってから数ヶ月が経過しており、相続税の申告・納付期限である10ヶ月が迫っていました。パソコンとスマートフォンはいずれもパスワードでロックされており、中身を確認できないため、資産の有無や種類、負債の状況が一切不明でした。

弊社ではまず、情報量が多いと想定されるWindowsパソコンのロック解除に着手しました。ご遺族の許可を得て、遺品の中から被相続人の手帳やメモ書きを調査したところ、いくつかの単語や数字の羅列を発見しました。

これらの断片的な情報から、被相続人がパスワードに用いる可能性のあるパターンを複数予測。相続人の同意を得て、専門ツールを用いた解析によりパスワードの特定を試みました。解析には数日を要しましたが、最終的にパソコンのログインに成功しました。

資産の判明

ログイン後のパソコンを調査した結果、ブラウザのブックマークや保存されていたファイルから、以下の存在が明らかになりました。

  • ネット銀行の口座:2件
  • ネット証券の口座:1件
  • FX(外国為替証拠金取引)の口座:1件

各サービスのウェブサイトにログインを試み、IDやパスワードの再発行の手続きを行うことで、口座情報を確認しました。調査の結果、いずれの口座にも資産はほとんど残っておらず、大きな負債もないことが判明しました。続期限内に被相続人の金融資産の全容を特定し、ご遺族に報告することができました。これにより、ご依頼者様は安心して相続手続きを進め、各口座の解約を完了させることができました。

遺産調査は、親が元気なうちに備えておこう!

上記の解決例では、被相続人の財産調査を専門家におまかせいただいたことで、どのように相続手続きをすべきかスムーズに把握することができました。しかし、パスワードの解除などは時間を要することも多く、使い込みや財産隠しを調査する場合はさらに複雑な工程が発生するケースも少なくありません。

特に親と非同居の方は生前の親の資産がどのような状況だったか把握する際に不利となりやすいため、生前から相続に向けて備えておくことが大切です。

デジタル資産のログイン情報を共有は難しくても、遺言書の作成や贈与状況の把握などは生前に可能ですので、親子間で連携して相続対策を進めておくようにしましょう。

まとめ

親の遺産が隠されているかもしれないという不安は、相続人にとって精神的にも大きな負担となり、相続人間の亀裂につながるおそれがあります。特にデジタル資産は発見が難しく、専門知識がないと見落とされやすい領域です。

生前から準備を行うことで、相続トラブルを未然に防ぎ、大切な遺産を適切に承継することが可能です。また、相続開始後に遺産の把握に悩んだら、まずはお気軽にGoodreiへお問い合わせください。



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✔️ デジタル記録の調査 専門的なツールを用い、PCやスマートフォンに残されたデータを解析します。削除された可能性のある情報やファイルについても調査し、発見された内容を客観的な資料として報告します。

✔️ デジタル資産の手がかり調査 ご遺族が把握していないネット銀行、証券口座、暗号資産(仮想通貨)など、各種デジタル資産に関する手がかりの発見をサポートします。

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