スマートホーム機器も遺品になる時代——IoTデバイスの終活

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目次

「このスマート家電、私がいなくなったら家族は使える?」

玄関の鍵をスマートフォンで開ける。外出先から防犯カメラを確認する。「電気をつけて」と声をかけるだけで照明がつく。

少し前なら未来の暮らしのように感じたことが、今では珍しくなくなりました。

ところが、スマートホーム機器を使っている本人に万が一のことがあった場合、その後のことまでを考えている人は、まだそれ程、多くないのではないでしょうか。

本人にとっては「いつものアプリを開けば使える」だけでも、残された家族からすると、

「何のアプリを使っていたの?」

「どのメールアドレスで登録したの?」

「このカメラの映像はどこに保存されている?」

と、わからないことだらけになりかねません。

スマートロックやネットワークカメラなどのIoT(Internet of Things)機器は、本体だけで完結しているわけではありません。アプリ、アカウント、Wi-Fi、クラウドサービス、共有設定、サブスクリプションなどが組み合わさって動いているものも多いからです。

そこで、これからのデジタル終活では、スマートフォンやネット銀行だけでなく、「家の中につながっている機器」も整理しておくことが大切になってきます。

この記事では、スマートホームの終活が必要な理由や、スマートロック・カメラなどを遺品として残す際の注意点、家族が困らないための情報整理の方法をわかりやすく解説します。


この記事でわかること

✅ スマートホーム機器も終活で整理しておきたい理由

✅ スマートロック・防犯カメラなどで家族が困りやすいポイント

✅ 実際に公表されているデジタル遺品・IoT機器のトラブル事例

✅ スマート家電を家族へ引き継ぐ前に確認しておきたい情報

✅ IoT機器を「デジタル遺産目録」に加える方法


スマートホーム機器は「本体だけ」見てもわからない

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そもそもIoT機器とは?

IoTは「Internet of Things」の略で、日本語では「モノのインターネット」などと訳されます。

家電や住宅設備がインターネットにつながり、スマートフォンなどから操作したり、外出先から状況を確認したりできる仕組みです。

家庭にあるものでは、たとえば次のような製品があります。

  • スマートロック
  • ネットワークカメラ・見守りカメラ
  • スマートドアホン
  • スマートスピーカー
  • スマート照明
  • スマートリモコン
  • ロボット掃除機
  • スマートテレビ
  • スマートホームハブ
  • インターネットにつながるエアコンや家電

一般的な家電なら、家に本体が残っていれば、説明書を読んだり電源を入れたりして家族が使えることも多いでしょう。

しかしIoT機器では、本体のほかに「どのアカウントとつながっているのか」「誰が管理者なのか」といった情報が重要になります。

つまり、目の前に機器があることと、その機器をきちんと管理できることは別の話なのです。

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「IoT遺品」は正式な法律用語ではない

ここは少し整理しておきましょう。

「IoT遺品」という言葉には、現在のところ法律上の明確な定義があるわけではありません。

国民生活センターも「デジタル遺品」について明確な定義はないとしたうえで、同センターの資料では、デジタル機器を通して確認できるデータやインターネットで契約したサービスを指し、スマートフォンやパソコンなどの機器本体は含めないとしています。

国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』」

そのため本記事では、

スマートロックやカメラなどの機器本体は「遺品」、それに結び付いたアカウント・データ・契約などは「デジタル遺品」

と分けて考えます。

本記事では便宜上、こうしたIoT機器と関連するデジタル情報をまとめて「IoT遺品」と表現しますが、正式な法律用語ではない点には注意してください。


スマートホーム機器が遺品になると、何に困る?

リスク①:スマートロックの管理情報がわからない

まず確認しておきたいのが、玄関などで使うスマートロックです。

たとえばQrio Lockでは、初期登録を行った「マスターキーアカウント」だけがロックを初期化できます。初期化すると、発行していた合カギや解施錠位置、解施錠履歴などの設定も初期化されます。

Qrio「ロックの初期化」

さらにQrioでは、マスターキーを持つアカウントは1つで、利用者がアカウント情報を忘れた場合でも、Qrio側からその情報を伝えることはできないと案内されています。

ここで困るのが、

「父のスマホからは開けられたけれど、どのアカウントを使っていたのかわからない」

というようなケースです。

もちろん、スマートロックだからといって、本人が亡くなった瞬間に家へ入れなくなるわけではありません。製品や設置状況によっては従来の物理鍵も使用できます。

実際、Qrioもスマートフォンの電池切れなどに備え、物理鍵を持ち歩くよう案内しています。

Qrio「スマートフォンの電池が切れても使用できますか?」

だからこそ終活では、アカウント情報だけでなく、**「普通の鍵はどこにあるのか」**も家族がわかるようにしておくと安心です。


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リスク②:防犯カメラの映像をどうするか家族が判断できない

ネットワークカメラや見守りカメラには、別の難しさがあります。

記録されているのが「家族の日常」だからです。

室内の様子、玄関を訪れた人、家族の帰宅時間などが記録されていることもあります。機種や契約によっては、映像がSDカードだけでなくクラウドサービスに保存されます。

本人が何も決めないまま亡くなった場合、遺族は、

「この映像は残していいのか」

「全部消した方がいいのか」

「そもそもクラウド契約は残っているのか」

と迷うかもしれません。

機器を捨てればすべての情報が消えるとは限らない点にも注意が必要です。

IPA(情報処理推進機構)は、IoT機器を廃棄・譲渡する際には、機器に保存された情報の漏えいを防ぐため、初期化など適切な対応を行うよう案内しています。

IPA「ネット接続製品の安全な選定・利用ガイド」

「誰に機器を渡すか」だけでなく、中のデータをどう扱ってほしいのかも、生前に考えておきたいところです。

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リスク③:使っていないサービスの課金が残ることも

スマート家電の中には、クラウド録画や追加機能などを月額料金で利用するものがあります。

ここで厄介なのが、家族から見ると「何にお金を払っているのかわからない」ことです。

国民生活センターには、夫が亡くなった後、スマートフォンのセキュリティサービスのサブスク契約が残っていることが判明したものの、IDとパスワードがわからず、すぐには解約できなかったという相談が寄せられています。

国民生活センター「始めましょう!デジタル終活」

これはスマート家電そのものの相談事例ではありません。

ただし、本人だけが把握しているオンライン契約が残されると、遺族が解約に手間取るという点では、IoT機器に付随する有料サービスでも同じことが起こり得ます。

国民生活センターも、サブスクは解約手続きをしない限り請求が続くとして、サービス名やIDなどを日頃から整理しておくよう呼びかけています。


リスク④:誰と機器を共有しているのかわからない

スマートホーム機器には、家族など複数人で利用できるものもあります。

スマートロックの合カギ、防犯カメラの閲覧権限、スマートホーム全体へのアクセス権などです。

使っている本人には便利な機能ですが、本人がいなくなった後は、

「この人にはまだ見えるの?」

「昔一緒に住んでいた家族にも操作権限が残っている?」

といった確認が必要になることがあります。

特に自宅を売却したり、人に貸したり、別の家族が住み始めたりするときには、機器本体だけでなく共有ユーザーや登録アカウントも見直すことが大切です。


リスク⑤:IDとパスワードがわかってもログインできないことがある

見落としやすいのが、二段階認証です。

最近のオンラインサービスでは、IDとパスワードを入力した後、

  • SMSに届く確認コード
  • 認証アプリ
  • 登録済みスマートフォンへの通知

などで本人確認を行う仕組みが増えています。

そのため、家族が登録メールアドレスやパスワードを把握していたとしても、認証コードが故人のスマートフォンにしか届かず、手続きが進まない可能性があります。

スマートホームの終活では、単に「パスワードを残す」だけでは不十分な場合があるのです。

ただし、本人の認証情報を無制限に家族と共有すればよいという話でもありません。

利用しているサービスの規約や、メーカーが用意している家族共有・共同管理機能などを確認し、無理のない方法で備えておきましょう。

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リスク⑥:Wi-Fiを変更したら家中のIoT機器がつながらない

もう一つ忘れやすいのが、自宅のWi-Fiです。

スマートロックのハブ、見守りカメラ、スマートスピーカー、スマートリモコンなど、多くのIoT機器が家庭のWi-Fiを通じてインターネットにつながっています。

本人が亡くなった後、遺族がルーターを交換したり、インターネット回線を変更したりした結果、

「カメラがつながらない」

「スマート家電がアプリに表示されない」

ということも考えられます。

再設定そのものはできても、家の中に何台のIoT機器があり、どのアプリから設定するのかがわからなければ、かなり手間がかかります。

終活で整理する情報には、

  • 利用しているインターネット回線
  • Wi-Fiルーターの場所
  • SSID
  • 接続に必要な情報の保管場所
  • IoT機器のメーカー・型番

なども加えておくと、家族が再設定しやすくなります。


実際に起きたトラブル——スマートカメラが不正アクセスされた例

「そこまで神経質にならなくても大丈夫では?」

と思う方もいるかもしれません。

ただ、IoT機器のアカウント管理やセキュリティが問題になった事例は実際にあります。

米国のRingでは約5万5,000件のアカウント侵害が問題に

2023年、米国の連邦取引委員会(FTC)は、Amazon傘下のRingをめぐるプライバシー・セキュリティ上の問題について公表しました。

FTCの訴状によると、一連の攻撃で約5万5,000人の米国利用者のアカウントが侵害されました。

ただし、約5万5,000人全員についてカメラ映像まで閲覧されたという意味ではありません。

FTCの訴状では、そのうち少なくとも910のアカウントで、保存映像やライブ映像へのアクセス、プロフィール閲覧など、さらに踏み込んだ行為があったとされています。一部ではカメラの双方向通話機能を使った嫌がらせも報告されました。

Federal Trade Commission「Ringに関する2023年の公表資料」

これは「相続によって起きた事件」ではありません。

ここを混同してはいけません。

この事例からわかるのは、ネットにつながったカメラでは、アカウントやアクセス権限の管理そのものがプライバシーに直結するということです。

故人が使っていたカメラだからといって、そのまま何年も放置するのではなく、誰がアクセスできるのか、契約やデータが残っていないかを確認した方がよいでしょう。


「スマホが開かない」が最初の壁になることも

スマートホーム終活を考えると、結局スマートフォンの問題に行き着きます。

なぜなら、多くのスマートホーム機器はスマートフォンのアプリから設定・操作するからです。

本人にとっては、

「この青いアイコンを押すだけ」

だったとしても、家族はそのアプリの名前すら知らないかもしれません。

国民生活センターが紹介している相談事例では、亡くなった兄のネット銀行を確認しようと携帯電話会社へ相談したところ、「初期化はできるが、画面ロックの解除はできない」と言われ、デジタル遺品を確認できなかったというケースがあります。

国民生活センター「始めましょう!デジタル終活」

スマートホームでも、故人のスマートフォンを確認できなければ、

  • どのアプリを使っていたのか
  • 登録メールアドレスは何か
  • どんな機器が登録されているか
  • 誰と共有しているのか
  • 有料サービスを利用しているか

といった手がかりを探すのが難しくなる可能性があります。

スマートホームの終活を考えるなら、スマートフォン側の情報整理も一緒に進めておくのが現実的です。


スマート家電は「本体をもらえば終わり」とは限らない

スマート家電を家族が使い続ける場合にも注意が必要です。

機器そのものが自宅に残っていても、それまで使っていた人のアカウントやクラウドサービスを、そのまま家族が利用できるとは限りません。

扱いはメーカーやサービスの規約によって異なります。

Google Home・Nestの場合

Googleでは、Google HomeやNestの一部製品を次の居住者へ渡す場合、アプリから機器を削除したり、出荷時の設定へリセットしたりする方法を案内しています。

対象製品によって手順には違いがありますが、リセットするとデバイス上の情報が消去され、新しい利用者が自分のアカウントで設定できるようになる製品があります。

Google「Google Home デバイスと Google Nest デバイスの移行ガイド」

Ringの場合

Ringも、デバイスを別の人へ渡す際には所有者変更の手続きが必要になる場合があると案内しています。

前の所有者と連絡が取れないケースについても手続きが用意されており、公式サポートには亡くなった所有者から変更するケースについても案内があります。

Ring「Ringデバイスの所有者を変更する」

つまり、

「スマート家電を相続したから、故人のアカウントもそのまま使える」

とは考えない方が安全です。

機器を引き継ぐときは、各メーカーの最新の公式案内を確認しましょう。


処分するときは「すぐ捨てる」「すぐ初期化する」の両方に注意

故人のIoT機器を整理していると、

「よくわからないし、初期化して捨ててしまおう」

と思うこともあるでしょう。

ただ、急いで初期化すると、あとで必要だった設定やデータまで消えてしまうことがあります。

反対に、何も消さずに売却・譲渡するのもおすすめできません。

IPAは、IoT機器にID・パスワード、位置情報などの情報が残っている可能性があるとして、廃棄・譲渡する際には初期化などの対応を行うよう案内しています。

基本的には、

①必要な情報がないか確認する
→②必要なデータを保存する
→③アカウントや共有設定を整理する
→④メーカーの手順に従って初期化する
→⑤譲渡・処分する

という順番を意識するとよいでしょう。

ただし、初期化したときに何が消えるかは製品によって違います。

「よくわからないから、とりあえずリセット」は避け、まずメーカーの公式サポートを確認してください。


今からできる「スマートホーム終活」7ステップ

では、生前には何をしておけばよいのでしょうか。

難しいことから始める必要はありません。

STEP1:家にあるIoT機器を書き出す

まず、自宅にある「スマホで操作する機器」を思い出してみましょう。

スマートロック、カメラ、スマートスピーカー、照明、エアコン、ロボット掃除機などです。

家の中を見回すだけでなく、スマートフォンのアプリ一覧を眺めてみると、「これもそうだった」と気づくことがあります。

できればメーカー名や型番も一緒に記録しておきましょう。

家族が公式サポートを調べる際、大きな手がかりになります。


STEP2:使っているアプリを記録する

機器名だけではなく、

「何というアプリで操作しているのか」

も書いておきます。

本人には当たり前でも、家族にはわからない情報です。

一つのアプリで複数のスマート家電をまとめて管理している場合は、その点も記載しておきましょう。


STEP3:登録メールアドレスと管理者を確認する

次に確認したいのが、誰のアカウントで登録しているのかです。

家族もアプリを使えているからといって、全員が同じ権限を持っているとは限りません。

所有者・管理者・共有ユーザーなど、製品ごとの違いも確認しておきましょう。

家族共有や共同管理機能が用意されている場合は、必要に応じて信頼できる家族を事前に登録しておく方法も考えられます。


STEP4:物理鍵など「アプリ以外の方法」も確認する

スマートロックなら、普通の鍵の保管場所を確認します。

スマートフォンの故障や電池切れは、終活とは関係なくいつでも起こり得ます。

デジタルだけに頼らず、別の方法を残しておくことも備えの一つです。

また、スマート照明やエアコンなどについても、リモコンや本体スイッチなど、アプリ以外の操作方法があるなら家族に伝えておくと安心です。


STEP5:残すデータと消すデータを考える

カメラ映像や音声履歴などについて、

「家族に残しても構わない」

「これは削除してほしい」

という希望があるなら、簡単に書き残しておきましょう。

家族にとって助かるのは、パスワードだけではありません。

本人がどうしてほしかったのかがわかることも大切です。


STEP6:有料サービス・認証方法・Wi-Fiを確認する

クラウド録画などを使っている場合は、

  • サービス名
  • 契約プラン
  • 支払い方法
  • 解約方法が記載されている場所

などを整理しておきます。

さらに、

  • 二段階認証を利用しているか
  • どの端末で認証しているか
  • 自宅Wi-FiのSSID
  • ルーターの場所
  • 接続情報をどこに保管しているか

なども確認しておくと、引き継ぎや再設定の際に役立ちます。


STEP7:ときどき見直す

スマート家電は買い替えますし、アプリや契約内容も変わります。

一度目録を作ったら終わりではありません。

年末や誕生日など、年に一度くらい見直す日を決めておくと続けやすいでしょう。

株式会社GOODREIのデジタル遺産目録の記事でも、定期的に内容を見直すことの重要性が紹介されています。


デジタル遺産目録に「スマートホーム」の欄を追加しよう

スマートホーム終活でおすすめしたいのが、すでに作っている、あるいはこれから作る**「デジタル遺産目録」にIoT機器の情報を追加すること**です。

株式会社GOODREIでは、ネット銀行、暗号資産、サブスクリプション、SNS、メール、スマートフォン・パソコンなどを整理する「デジタル遺産目録」の作り方を紹介しています。

相続トラブルを防ぐ「デジタル遺産目録」の作り方|遺族が気づけないリスクと対策

スマートホームについては、たとえば次のような項目を加えておくと便利です。

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項目記載例
機器名玄関スマートロック
メーカー・型番○○Lock
設置場所玄関
使用アプリ○○アプリ
登録メールアドレス○○○@example.com
管理者本人
共有ユーザー妻・長男
認証方法本人スマートフォンを使用
物理鍵自宅の○○に保管
Wi-Fi接続情報は○○に保管
有料サービスクラウド機能あり
保存データ解施錠履歴あり
死後の希望家族が利用を継続
利用しない場合メーカー手順を確認して初期化

こうしておくだけでも、家族は「まず何を確認すればいいのか」がわかります。

ゼロから調べるのと、手がかりが一枚残っているのとでは、負担が大きく違います。


ただし、パスワードを全部一枚に書くのは慎重に

目録を作るときに気をつけたいのが、セキュリティです。

「家族が困らないように」と思って、スマートロックやカメラ、メール、Wi-FiなどのID・パスワードをすべて一枚にまとめ、机の上に置いておくのはおすすめできません。

警察庁も、IDやパスワードを適切に管理し、不用意に他人へ知らせないことや、利用可能な場合には二要素認証を活用することなどを案内しています。

警察庁「基本的なセキュリティ対策」

大切なのは、家族が必要なときに情報へたどり着けることと、普段は第三者から守られていることの両立です。

たとえば、

「パスワードは○○に保管している」

「万が一のときはこの書類を確認してほしい」

と、保管場所だけを目録に書く方法もあります。

GOODREIのデジタル遺産目録の記事でも、パスワードなどデリケートな情報は直接書かず、保管場所やヒントを記載する方法が紹介されています。

デジタル終活は、「すべてのパスワードを家族に渡しておくこと」ではありません。

必要な情報を安全な形で家族につなぐ準備をしておくことが目的です。


まとめ:スマートホームの終活は「家族への説明書」を残すこと

スマートホーム終活について、ポイントを振り返ってみましょう。

  • スマート家電は本体だけでなく、アプリやアカウントも確認する
  • 「IoT遺品」は正式な法律用語ではなく、機器とデジタル情報は分けて考える
  • スマートロックは管理アカウントと物理鍵の場所を確認する
  • カメラは保存映像やクラウド契約にも目を向ける
  • 二段階認証や認証端末も確認しておく
  • Wi-Fiやルーター情報も整理しておく
  • 有料サービスがあれば契約内容を整理する
  • 家族が使う場合はメーカーごとの引き継ぎ方法を確認する
  • 処分・譲渡時には必要な情報を確認したうえで初期化する
  • IoT機器もデジタル遺産目録に加える

スマートホームの終活というと、何だか難しいITの話に聞こえるかもしれません。

けれど、やることの本質は昔から変わりません。

「これは何で、どう使っていて、自分がいなくなったらどうしてほしいのか」を家族に伝えておくことです。

昔なら、金庫の鍵や通帳の場所を家族に知らせておくことが大切でした。

今はそこに、「スマホの中のアプリ」や「クラウドにつながった家電」が加わっただけ、と考えるとわかりやすいでしょう。

本人にとっては当たり前のことほど、残された家族にはわかりません。

まずは自宅にどんなスマート機器があるのか、今日一度見回してみることから始めてみてはいかがでしょうか。


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デジタル資産の整理も、スマートホーム終活の「事前準備」のひとつ

スマートホーム機器を一つずつ確認していくと、多くのものがスマートフォンやオンラインアカウントにつながっていることに気づきます。

そしてスマートフォンの中にあるのは、家電のアプリだけではありません。

ネット銀行や証券口座、SNS、写真、クラウドストレージ、サブスクリプションなど、家族に伝えておきたい情報もあれば、反対に「これは見られずに整理してほしい」と思う情報もあるでしょう。

問題は、それを**「いつかやろう」と思っているうちに、本人が整理できなくなる可能性があること**です。

株式会社GOODREIが提供する「デジ・タクセル」では、デジタル資産の生前整理を支援しています。

デバイスに関する情報や金融機関情報の整理・引き継ぎ、登録した端末やクラウド上の対象データの整理・削除、アプリやサブスクリプションの整理など、万が一に備えて「残したいもの」と「整理したいもの」を考えるためのサービスです。

ただし、スマートロックや防犯カメラなど、個々のIoT機器そのものの所有者変更や初期化については、メーカーやサービスによって手続きが異なります。

そのため、

「スマート家電だけ」

「スマホだけ」

と別々に考えるのではなく、自分が利用しているデジタル情報全体を一度棚卸しすることが大切です。

何を家族に残したいのか。

何を整理しておきたいのか。

そして、それを家族がどうやって見つけるのか。

元気な今なら、自分で決められます。

「まだ早い」と思っているときこそ、一度サービスの内容を確認し、自分にはどんな準備が必要なのか考えてみてはいかがでしょうか。

デジタル資産の生前整理サービス「デジ・タクセル」を詳しく見る


この記事の執筆者

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田原 日出夫

現代文・小論文講師/終活・相続ライター

30年以上にわたり国語教育に携わり、東京大学・早稲田大学・慶應義塾大学など難関大学合格者を多数輩出。誌面ライター13年、Webライター約8年の経験を持ち、終活・相続・デジタル遺産・シニア向けIT活用などの分野で執筆を行う。

複雑な制度や専門用語を、初めての方にもわかりやすく伝えることを信条としている。近親者の相続手続きを自ら経験し、実体験に基づいた情報発信を心掛けている。


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