デジタル遺品整理サービスの選び方:比較ポイントと注意点

Icatch (6)
article598
article598

【リード】

近年急速に進むデジタル化によって、遺品の種類も多岐にわたるようになりました。故人のデジタル機器やインターネット上の情報は、個人情報やプライバシー保護の観点から、迅速な対応が必要となります。しかし、デジタル遺品整理は専門的な操作が含まれるため、従来の遺品整理とは異なる点も多く、作業が難航するケースも珍しくありません。

近年は、デジタル遺品整理を専門業者に依頼する遺族も増えてきましたが、業者やサービスはさまざまあるため、どれを選ぶべきか迷う人も少なくないでしょう。本記事では、信頼できるデジタル遺品整理サービスを選ぶための比較ポイントや注意点を詳しく解説します。

目次

デジタル遺品整理が求められる理由

断捨離1200x675

近年インターネットの利用が急速に進み、シニア層のスマートフォンやデジタル機器の利用率も高まっています。ここでは、デジタル遺品の定義やデジタル遺品整理がなぜ必要なのかについて解説します。

 デジタル遺品とは?

「遺品」とは故人が生前所有していた不動産や預貯金、愛用していた品物のことです。近年は遺品の中にパソコンやスマートフォンなどのデジタル機器も含まれるようになり、それらを「デジタル遺品」と呼んでいます。

デジタル遺品には明確な定義はありませんが、主に「目に見える」ものと「目に見えない」ものに分類されます。パソコンやスマートフォン、タブレットなどを含むデジタル機器は、目に見えるデジタル遺品です。それに対し、目に見えないデジタル遺品とは、SNSのアカウント・メール・写真・クラウドデータなどを指します。ネットバンクの口座情報もインターネット上で使用するため、本人が亡くなった後はデジタル遺品のカテゴリーに含まれます。

デジタル遺品整理の具体例

デジタル遺品整理とは、故人が利用していたデジタル機器やオンラインサービスにアクセスし、アカウントやデータを整理したり管理したりすることです。

具体例としては、以下が挙げられます。

  • 故人のSNSアカウントの削除、退会
  • 故人が使用していたパソコン内のデータやファイルの確認、バックアップ
  • サブスクリプション(音楽や動画配信サービスなど)の解約、削除
  • デジタル資産(ネット証券口座・電子マネー・暗号資産など)の確認

デジタル遺品整理の重要性

デジタル遺品整理は個人情報やプライバシーを守るために必要な対応です。特にSNSのアカウントやメールアドレス・プライベートな画像データなどを放置しておくのは危険です。何かのきっかけで情報が流出したり、第三者に悪用されたりするリスクが高まるでしょう。

そして、電子マネーやネット証券などは相続に関わることもあります。定額制の動画配信サービスや有料コンテンツなどは迅速に退会・解約の処理をしないと、料金滞納を発生するリスクが生じます。遺族が安心して生活するためにも、デジタル遺品整理はできる限り早めに行う必要があるでしょう。

デジタル遺品整理をプロに任せるメリット

27775242 S

デジタル遺品整理は、専門業者に依頼することも可能です。デジタル機器に不慣れな遺族がむやみに操作すると、大切なデータまで削除してしまう恐れがあります。デジタル遺品整理を行う業者のサービスを利用すれば、専門知識を有するプロが対応してくれるため安心でしょう。以下で主なデジタル遺品整理のサービス内容を紹介します。

  • パソコンなどのデータの救出
  • パスワード・ロックの解除
  • ブログやSNSの完全削除、退会
  • 写真や書類データの救出・バックアップ
  • インターネット上の金融サービスの確認
  • メール文章や仕事の資料の保護

デジタル遺品整理サービスの比較ポイント

デジタル遺品整理サービスを依頼する場合、複数の業者から選定するのがおすすめです。ここでは、デジタル遺品整理サービスを比較する際の注目ポイントについて解説します。

実績と信頼の確認

業者を選ぶ際は、デジタル遺品整理に特化した実績があるか確認しましょう。年間のデジタル遺品整理の対応件数などを比較するのも一つの方法です。さらに口コミサイトなどを確認し、ユーザーの評判を参考にする方法もよいでしょう。さまざまな業者を比較し、実績と信頼性を兼ねた業者を選ぶのがポイントです。

提供サービスの内容

デジタル遺品整理業者が提供している内容にも注目しましょう。何を依頼したいのかをメモに書き出し、その業者がサービスに対応しているかチェックします。また、複数のサービスをまとめて依頼したい場合は、組み合わせて依頼ができるかも確認しておきましょう。

 料金体系

デジタル遺品整理の料金体系は業者によってさまざまです。たとえば、「パスワード解除〇〇円」「SNSデータ削除・退会〇〇円」など、各サービスごとに料金が設定されていたり、複数のサービスを含んだパックを提供していたりする業者もあります。依頼内容が決まったら、各業者から見積もりを取り寄せて比較するのがおすすめです。

サポートシステムの充実

アフターサポートや問い合わせなどのサービスが充実しているかもチェックします。アフターサポートが充実していると、万が一トラブルが発生した際も安心です。また、無料で事前相談や問い合わせなどが可能かどうかも確認しておきましょう。

デジタル遺品整理サービスの一般的な料金相場

デジタル遺品整理サービスの料金は、依頼するプラン内容や業者によって異なりますが、約2万円から5万円程度が目安です。業者によっては料金設定に幅を持たせている場合もあるため、気になる場合は実際に見積もりを依頼して確認してみましょう。

 パスワード解除SNSデータの削除・退会処理動画・写真・アドレス帳などの保存データの移行・バックアップ
業者A19,800円~19,800円~19,800円~
業者B22,000円14,300円33,000円(容量上限あり)
業者C基本プラン 40,000円

  デジタル遺品整理サービスを利用する際の注意点

Enter into a legal advisory contract
Enter into a legal advisory contract

デジタル遺品整理サービスを利用する際には、注意するポイントがあります。ここでは、デジタル遺品整理サービスを選ぶ際に押さえておくべき注意点について解説します。

プライバシー保護とセキュリティ対策

デジタル遺品整理では、故人の個人情報やプライベートなデータを扱います。そのため、業者が個人情報をどのように取り扱うかを事前に確認しておきましょう。Webサイトに記載されているプライバシーポリシーや規約などに記載されています。データが第三者に漏洩しないような対策が取られているかを重視してください。

契約内容の確認

利用する業者が決まったら、契約前に申し込み内容を確認しておきましょう。具体的には「基本サービスに含まれる内容」と「オプション扱いとなる範囲」を事前に確認しておくことをおすすめします。作業範囲や内容を細かく知ることで、想定外の追加料金を防ぐことができるでしょう。

また、「訪問費」「診断費」「作業費」といった内容で、依頼するプランに追加料金が発生することもあります。最終的な料金を確認し予算の範囲内に入っているか必ず確認しておきましょう。

デジタル遺品整理サービスは信頼できる業者を選ぶ

故人のデジタル遺品整理は、プライバシーや個人情報を守る上で大切なことです。しかし、普段からデジタル機器を使用し、SNSやサブスクなどを利用した経験がないと、解約や退会処理が難航してしまう可能性もあります。また、故人の思い出に触れることが辛く、一歩を踏み出せない遺族も少なくないでしょう。デジタル遺品整理サービスを利用すると、専門知識を持つプロが、遺族に代わって故人のデジタル遺品を適切に整理してくれます。気になる方は、本記事を参考にデジタル遺品整理サービスをチェックしてみてください。

目次