近年、個人のスマホには、写真やメッセージ、通話記録、位置情報など、多くの大切なデジタルデータが保存されています。特に、iPhoneは高いセキュリティ機能を備えており、パスコード、Face IDに加え、AppleのSecure Enclaveという専用セキュリティチップで保護されています。第三者が勝手に中身を調べるのは、簡単ではありません。
しかし、事件の捜査やトラブル対応、相続トラブルの場面などで、内部の情報が必要となるケースもあります。そのような状況で役立つのが「デジタルフォレンジック」という専門的な技術です。今回の記事では、デジタルフォレンジック調査の内容や費用の目安、専門業者に依頼することのメリットについて、詳しく紹介します。
なぜデジタルフォレンジックによる分析が重要なのか

デジタル化が進む現代社会において、あらゆる情報や取引が電子データとして、記録されるようになりました。一方で、サイバー攻撃や情報漏れ、不正行為などのリスクも増大しています。このような問題に対応するには、デジタル機器に残された証拠を専門的に収集・分析するデジタルフォレンジックが不可欠です。
デジタルフォレンジックによる分析は、不正の原因究明や法的証拠の確保だけでなく、被害の最小化や再発防止につながります。現代の情報社会において、重要な役割を果たしています。
法的証拠としてのデジタルフォレンジックの役割
デジタルフォレンジックは、サイバー犯罪や不正行為の証拠を特定して、証拠が法廷で使用される際に信頼できるものであることを示します。たとえば、電子メールの送受信記録やプログラムのデータなどを、タイムスタンプや電子署名を用いて、データのタイムスタンプや電子署名により、改ざんがなかったことを証明できます。
この技術を活用して、契約違反や知的財産権侵害などの法的争いを有利に進めます。また、証拠の取り扱いや分析は、証拠の流れを厳密に管理する「管理連鎖(チェーン・オブ・カストディ)」を維持しながら行われます。
刑事事件の場面では、デジタルフォレンジックの結果をまとめた報告書は、その作成者の証言によって、証拠としての正当性が裏付けられるのです。デジタルフォレンジックは、単なる技術的解析を超えて、事件の真相解明や責任追及を支える重要な役割を果たしています。現代のサイバーセキュリティ対策や企業のリスク管理、相続の不正問題の解決において、不可欠な存在になっています。
不正調査としてのデジタルフォレンジック
不正調査におけるデジタルフォレンジックは、社内での不正行為や情報漏えいなどの問題が発生した際に、スマホやパソコンなど、デジタル機器から法的に有効な証拠になるデータを科学的に収集・解析します。この手法を用いることで、不正行為の原因や手口を明らかにして、証拠を確保できるのです。
調査にあたっては、最初に証拠の改ざんを防ぐため、デジタル機器のデータをクローン化して保全する作業が行われます。その後、削除されたデータの復元や操作履歴の解析などを進めて、問題の詳細な状況を明らかにします。
このような調査は、法的に証拠として認められるために、専門家によって厳密な手順に沿って実施されることが求められます。基本的な調査の流れは、聞き取り、証拠の保全、詳細な解析、内容の確認、そして報告という5つのステップです。デジタルフォレンジックは、現代のデジタル不正問題にとって、科学的に解明する上で、欠かせない技術になります。
そもそもデジタルフォレンジックとは?

デジタルフォレンジックとは、先述の通り、スマホやパソコンなどに保存されたデータを、法的に有効な形で収集・保全・分析する調査手法です。サイバー犯罪や不正行為の原因を突き止めるために活用されます。犯罪捜査や相続の不正調査など、幅広い分野で活用されています。
情報が改ざんされないように、厳密な手順に沿って行われるため、収集されたデータは、法廷でも証拠として認められているのです。デジタルフォレンジックは、デジタル機器に記録された通信ログや、消去されたデータを復元することで、さまざまな事件の事実解明に役立てる技術です。
デジタルフォレンジックの語源
「デジタルフォレンジック」という言葉は、ラテン語の「forensis(フォレンシス)」に由来する「フォレンジック(forensic)」という言葉と、英語の「デジタル(digital)」を組み合わせたものです。フォレンジックは、古代ローマの公開広場「フォーラム(forum)」に関連します。「法廷での」「科学捜査の」という意味を持つ言葉です。
また、デジタルは「指」を意味するラテン語「digitus」に由来しており、数値化や量子化された情報を示します。これらを組み合わせた言葉が「デジタルフォレンジック」です。デジタル機器に保存されたデータを、法的証拠として収集・分析して、不正調査に役立てる科学的手法になります。
スマホやPC、クラウド環境におけるデジタルフォレンジックの対象範囲
デジタルフォレンジックとは、不正行為の実態を解明する技術です。iPhoneをはじめとしたスマホの場合では、通話履歴やメッセージ、写真、位置情報、アプリの使用履歴など、さまざまなデータを調査します。デジタルフォレンジックは、削除されたデータを復元できるのが特徴です。不正送信や情報漏洩、ハラスメントや組織内の不正の証拠を見つけるうえでも、重要な技術になります。
クラウド環境では、Google Workspace、Microsoft 365などの情報がフォレンジックの対象です。物理的な媒体が存在しないため、ログの保存が重要になります。適切なログ管理がなされていなければ、証拠が残らない場合もあります。
そのため、クラウド事業者との契約内容や、運用状況の確認も不可欠です。スマホやパソコン、クラウドに応じた手法を活用して、デジタル情報を収集・解析します。立証可能な証拠として押さえることが、デジタルフォレンジックの最大の目的です。
種類 | 調査対象 | 主な調査内容・特徴 | 用途例 |
コンピュータフォレンジック | パソコンやハードディスク、USBメモリなど | ファイル復元やログ解析、ファイルアクセス履歴の調査 | 内部不正調査や、マルウェア侵入解析 |
モバイルフォレンジック | スマホ、タブレット | 通話履歴やメッセージ、写真、アプリ使用履歴、位置情報などのデータ抽出 | 不正送信調査や位置情報追跡、ハラスメント証拠収集 |
ネットワークフォレンジック | ネットワーク通信や、インターネットトラフィック | 通信パケットの解析や、不正通信の検知、侵入経路の特定 | サイバー攻撃調査や、通信内容の調査 |
クラウドフォレンジック | AWSやAzure、Google Workspaceなどのクラウド環境 | クラウドログ管理や、操作履歴の解析、クラウド事業者との連携 | クラウドサービスの不正操作調査や、ログ解析 |
デジタルフォレンジックの具体的な調査手法

デジタルフォレンジックのプロセスは、調査対象のデバイスやデータ、そして、発生した事象の状況を特定します。関連する証拠を、収集することから始まるのです。デジタルフォレンジック専門業者は、電子機器からデータの複製を作成します。
元のデータに損傷や改変が加えられないように、保護していきます。その後、取得したデータを詳細に分析して、不正行為の痕跡や影響範囲を調べるのです。デジタル上の証拠を、確実かつ法的に有効な形で収集して、不正問題の解明に役立てます。
調査と分析の主な流れ
デジタルフォレンジックの調査手法は、まず、調査対象や目的、期間などを詳しく聞き取ります。収集すべき証拠を、特定することから始まります。次に、対象になるパソコンやスマホなどを回収して、記憶媒体の複製を作成するのです。その後に、デジタルフォレンジック専門業者は、複製したデータを専門の解析ソフトウェアで調べます。
削除ファイルの復元や、操作履歴の確認、メールやチャットの内容解析、ログファイルの検証などを実施します。これによって、不正アクセスの跡や情報漏えいの実態が把握できるのです。最後に、調査結果や証拠をわかりやすくまとめた報告書を作成して、調査手順や解析結果、証拠の資料を記載します。
この報告書は、法的証拠として有効になるように、慎重に作成されるのが特徴です。このような一連の手法は、不正行為の調査だけではありません。家族の相続問題や企業のサイバー攻撃など、幅広い場面で活用されます。
プロセス | 主な内容・ポイント |
インシデント発生から証拠保全 | インシデント発生直後に初動対応を行い、証拠になるデータの改変を防ぐ。専用ツールでデータの複製(フォレンジックイメージ)を作成して、元のデバイスは安全に保管する。 |
証拠収集 | 全てのデジタルデバイス(PCやサーバー、スマホなど)や記録媒体を特定する必要がある。法的証拠として、有効な形で収集・保全する。 |
分析・調査 | 証拠データをもとにインシデントの原因究明や、被害範囲の特定、攻撃経路の追跡などを行う。必要に応じて、データ復元も実施する。 |
報告書作成 | 調査の目的や対象範囲、手順、発見事実、分析結果などをまとめた正式な報告書を作成する。将来的な対策の提言や、法的証拠提出なども考慮される。 |
(必要に応じて)リーガルプロセス | 裁判や法執行機関への提出に備えるため、証拠の管理や手続きを行う。証拠物の保管、管理連鎖の維持が重要になる。 |
サイバー犯罪から相続の不正問題にも対応!デジタルフォレンジックが活躍する場面とは

現代社会のデジタル化が進むなかで、相続に関わるトラブルや不正問題も複雑化しています。特に、パソコンやスマホに保存されたデータや、ネット上の金融資産などは、従来の調査方法では判明しにくいです。厳重なパスワードで財産や証拠を内包していることが多く、デジタルデータや金融資産の発見が難しい場合があります。
そのような状況において、活躍するのがサイバー犯罪の調査で培われた「デジタルフォレンジック技術」です。家族間や子どものトラブル、相続の不正問題などで、非常に有効な手法として注目されています。
デジタルフォレンジックは、特に故人のデジタル情報を解析して、不正な財産の隠匿や改ざんの発見に大きく貢献しています。この技術の活用によって「隠された真実」に光をあてて、不正調査や相続トラブルの円滑な解決が実現できるようになりました。
離婚調停での証拠提出
デジタルフォレンジックを活用することで、不倫や離婚原因に関する証拠を正確に収集します。調停や裁判で提出することが可能です。離婚調停自体は話し合いの場であるため、必ずしも証拠提出を求められるわけではありません。しかし、有力な証拠があることで、調停が有利に進められます。
たとえば、不倫の証拠としては、LINEやメールのやり取り、発着信履歴、位置情報、写真や動画などが挙げられます。このようなデジタルデータは、簡単に削除される可能性があるため、削除後のデータも含めて復元するために、デジタルフォレンジックを活用することが非常に有効です。
一方で、個人でのデジタルデータの収集に は、不正アクセスや無断でのアカウントログインなど、違法行為を避ける必要があります。誤った操作でデータが破損するリスクもあるため、専門のデジタルフォレンジック業者や弁護士に依頼して、適切にデータを収集・解析してもらうことがおすすめです。
子どものSNSトラブル・いじめ証拠の調査
子どものSNSを利用したいじめやトラブルの証拠を調査する際にも、デジタルフォレンジックの専門的な技術が活用されます。デジタルフォレンジックは、スマホやパソコンに保存されたデータを、科学的かつ法的に証拠として、復元・解析する手法です。
データが削除されていたり、機器が壊れていたりしても、重要なやりとりを見つけ出せるのです。デジタルフォレンジック調査では、被害者のスマホやPCからデータの「保全」を行います。オリジナルデータに触れずに、複製を解析することで証拠の信頼性を確保します。
調査では、LINEやTwitter、Instagramなど複数のSNSアプリのメッセージ履歴や、付随する画像・動画ファイルを復元・分析して、不正なやりとりを明らかにするのです。これによって、加害者の特定やいじめの実態が把握できます。
デジタルフォレンジック調査は、証拠として認められる正確かつ客観的なデータを収集できるため、いじめ問題の解決においても、不可欠な方法です。このように、デジタルフォレンジックは、証拠収集の最前線の技術として、近年深刻化するいじめ問題の解決に導きます。
故人のスマホ・パソコンからの遺言や資産情報の調査
故人のスマホやパソコンから遺言や財産に関する情報を調査するには、「デジタル遺品調査」の手続きが重要です。デジタル遺品調査とは、亡くなった方が使用していたスマホやパソコン、そしてクラウドサービスなどに保存されているデータを、専門的に解析します。遺言書・金融資産・暗号資産・各種アカウント情報・連絡先など、必要な情報を見つけ出すのです。
まず、遺族はパソコンやスマホ、それに付属する充電器や記録メディアなどを集めて、電源が入る状態にします。そのうえで、端末の内部データだけでなく、メールやウェブブラウザの履歴から利用中のネットバンキングや証券会社、SNSアカウントなどを調べます。しかし、パスワードで保護されている場合が多いため、相続人としての正当な権利を証明して、専門の調査会社へ依頼するのが一般的です。
専門業者では、パスワード解析や削除済みデータの復元は、デジタルフォレンジック技術を用いて調査を行います。一方で、相続人や法定代理人以外が、無断で機器やデータへアクセスすることは、不正アクセス禁止法に違反する恐れがあるため、データ開示の際には、注意しなければなりません。
遺言などで特定の人にデータ開示や管理を委任する旨が記載されていれば、手続きがスムーズに進むでしょう。デジタル遺品調査を実施することで、故人の意思や遺産・契約情報などを詳細に確認できます。滞りなく相続の手続きが行えるのです。
手続きの流れ・作業内容 | 説明 |
デジタル機器の探索・保管 | 故人が所有していたスマートフォン、パソコン、タブレット、外付けHDD、USBメモリなどを全て探し出し、大切に保管する。 |
遺言書・エンディングノートの確認 | 遺言書やエンディングノート、ID・パスワードを記載した書類の有無を確認し、デジタル遺品に関する希望や情報を収集する。 |
パスワード解除・データ解析の依頼 | パスワードがかかっている場合、専門のデジタル遺品調査業者に解析や解除を依頼する。削除済みデータの復元も行う場合がある。 |
メール・ブラウザ履歴などの確認 | メールやウェブブラウザの履歴、SNS、ネットバンキング、証券会社など利用中のサービスを調査し、重要なアカウント情報を見つける。 |
クラウドサービスの調査および連絡 | クラウド上のデータも調査し、サービス運営者へ死亡通知や相続手続きを進める連絡を行う。 |
相続人の確認と法定相続人としての権利証明 | 相続人を確認し、相続人としての権利を証明して調査や手続きの正当性を確保する。 |
遺産分割協議・手続き | 遺言がなければ相続人全員で遺産の分割協議を行い、金融資産やデジタル資産を含めた相続手続きを進める。 |
デジタル機器の解約・整理 | 相続手続きが済むまではスマホ等のサービス解約を控え、遺産整理後は不要なデジタル機器の解約・廃棄を進める。 |
法的専門家への相談 | 弁護士や司法書士など、遺産相続・デジタル遺品対応の専門家に相談しながら進める。 |
自力での調査は危険?デジタルフォレンジックは専門業者に任せるべき理由とは

デジタルフォレンジックの調査を個人で行うことは、非常にリスクが高いです。なぜなら、単純なデータの確認やコピーとは異なり、法的な証拠になるように、データを保全する必要があるためです。消去された情報の復元など、専門的な技術や知識が不可欠になります。
専門的なスキルがない状態で調査を行うと、重要なデータを損なう恐れがあり、証拠として裁判で認められない可能性があります。調査の信頼性や、中立性を保つことも大切です。自身で調査を行うと、意図せずに偏った結果を導くかもしれません。専門の業者に依頼すれば、第三者として公平で客観的な調査が行われます。法的にも、信用される証拠が確保できるのです。
また、専門業者は豊富な経験と最新の技術を駆使して、調査が進められるため、時間や労力の節約にもつながります。一方で、未経験者が不用意に機器に手を加えると、かえって状況を悪化させてしまう可能性もあります。調査結果は、裁判などで利用できる正式な報告書としてまとめる必要がありますが、資料を適切に作成できるのも専門家の強みです。
法的な面でも、問題なく対応できることが求められます。デジタルフォレンジックの調査を自力で行うことは、非常に難しいです。法的な証拠を残したい場合は、専門の業者に依頼するのが安全で確実な方法です。個人で調査をすると、調査が不十分で法的に認められないリスクが高いため、専門家に相談することがおすすめです。
項目 | 個人で調査する場合のリスク | 専門業者に依頼するメリット |
証拠の保全 | 法的に有効な形で証拠保全が難しく、証拠を損なう可能性がある | 法的に認められる形で、正確に証拠を保全・復元が可能になる |
技術・知識 | 専門的な技術や知識不足で、調査が不十分になる | 高度な技術と豊富な経験によって、正確かつ効率的な調査が行える |
中立性・信頼性 | 偏った調査結果になる恐れがあり、証拠としての信頼性が低くなる | 公平・客観的な調査で、法的にも信用される証拠を作成できる |
調査の効率・安全性 | 機器の誤操作で、データ状況を悪化させる恐れがある | 最新技術と機材を活用して、迅速かつ安全に調査できる |
報告書作成 | 法的に通用する報告書の作成が困難である | 法廷対応が可能な、正式な報告書を作成する |
業者選びの注意点 | – | 信頼できる専門会社選定が重要になる。外注高額請求に注意しなければならない。 |
フォレンジック調査の証拠は裁判で通用するのか
デジタルフォレンジック調査によって入手した証拠は、正しい手順で取得・保全されていれば、裁判でも証拠として認められます。特に、証拠になるデジタルデータに関しては、不正な改ざんや削除が行われていない点が重要です。専門家が公正かつ中立な立場で、定められたガイドラインや手順に則って、調査を行っていなければなりません。
もし、これらの条件が守られていない場合には、証拠としての価値が否定されたり、証拠力が弱まったりする可能性があります。実際の裁判においても、デジタルフォレンジックによる証拠が提出されて、その信頼性や真正性が個別に審査され流のです
電子的な証拠は、改ざんや消去が容易なため「誰が、いつ、どのような手順で取得・保全したのか」が厳格に問われます。これが物理的な証拠との大きな違いです。そのため、弁護士やデジタルフォレンジック業者のサポートを受けながら、適切な方法で取得・提出を進めなければなりません。
調査の流れと費用相場

デジタルフォレンジック調査は、まず調査の目的を聞き取ります。問題の状況を確認したうえで、迅速に証拠の保全作業を始めます。次に、対象の機器や関連するログデータを安全に収集して、専門のツールを活用して詳細な解析を行う流れです。
解析内容は、ログの調査や端末の解析、ネットワークの調査、メールの検証など、多岐にわたります。調査費用は、調査の規模や対象機器の数、対応の緊急度によって異なります。一般的な目安としては、初期対応・証拠保全に10万円から30万円程度、ログ解析で30万円から100万円、端末解析は50万円から150万円前後です。
ネットワーク解析は、50万円から200万円、メール調査で30万円から100万円、報告書作成や改善案の提示などは、20万円から50万円前後の費用が一般的です。全体の費用は、数十万円から数百万円以上になるケースがあります。調査内容の難易度や、作業の迅速さによって、費用は大きく変わります。デジタルフォレンジック調査を依頼する場合は、見積もりの内容を細かく確認することが大切です。
調査項目 | 費用相場(目安) | 説明 |
初動対応・証拠保全 | 10万〜30万円 | 緊急度や作業時間、対象機器数で変わる |
ログ解析 | 30万〜100万円 | ログ量と解析の範囲で変動する |
端末解析 | 50万〜150万円 | 端末数やデータ量、調査内容で変わる |
ネットワーク解析 | 50万〜200万円 | 通信量と範囲によって変化する |
メール調査 | 30万〜100万円 | メール数と分析難易度に依存する |
報告書作成・改善提案 | 20万〜50万円 | 被害規模や報告書の詳細内容で変わる |
信頼できる業者をどのように選ぶべきなのか

信頼できるデジタルフォレンジック業者を選ぶ際には、さまざまなポイントを押さえる必要があります。まず、業者の技術力と実績を確認しましょう。過去の調査実績や、大手企業からの依頼対応歴も参考になります。国際的な情報セキュリティ認証や、プライバシーマークの取得の確認も有効です。
第三者の認証があることで、個人情報や証拠データの安全管理が担保されていることがわかります。対応スピードや支援の体制も重要です。緊急のインシデントに迅速に対応できるのか、現地調査や出張対応が可能なのか、柔軟かつ迅速な支援体制が整っているのかを調べましょう。
費用の透明性や相談のしやすさも見逃せません。明確な料金体系が示されているのか、無料相談や見積りの対応の有無を確認してください。初めて依頼する場合でも、安心して問い合わせが行える業者を選ぶことが大切です。このような点を踏まえて、実績や技術力が高くて、相談しやすいデジタルフォレンジック業者を探しましょう。情報管理や費用面においても、安心してサービスを受けることができます。
iPhone解析は慎重かつ専門的に
スマホのなかでもiPhoneの解析は、非常に専門的かつ慎重な作業が求められます。法的・倫理的な配慮も必要です。iPhoneの解析では、単にデータを取り出すだけでなく、調査の目的や範囲を明確にする必要があります。デジタルフォレンジック業者は、裁判証拠としても利用可能な、信頼性の高い証拠を解析・保全します。データの改ざん防止やクローン作成など、厳密な管理のもとで作業を進めます。
また、iPhoneは個人情報保護を強化するために、高度なプライバシー機能を備えており、解析の際には、さまざまな点に注意しなければなりません。個人が安易に解析を試みることは、データの損傷や法令違反のリスクを伴います。そのため、信頼できる専門家のサポートが非常に重要です。
ハッキングや不正アクセスが疑われる場合も、自己判断で解析を行ってはいけません。デジタルフォレンジック業者への相談が必要になります。iPhoneのデータ解析は、専門性の高い作業です。法的・倫理的な観点からも、安易な取り扱いを避けて、信頼できるプロの支援のもとで、解析や調査を進めましょう。
まとめ

iPhoneやパソコンのデータ解析や調査は、専門的な知識と慎重な取り扱いが不可欠です。特にスマホには、多くの個人情報や重要な記録があります。たとえば、相続の場面において、故人のスマホが開けられず、誤った操作で大切なデータを失うかもしれません。パスコードロックや、暗号化された情報へのアクセスを試みる際は、些細なミスでデータが完全に消去されます。
自己流でのスマホロック解除やデータ解析は、非常に危険です。法律に抵触するおそれもあり、状況を複雑にしてしまうことも考えられます。だからこそ、デジタルフォレンジックの技術を持った専門業者の力を借りることが、解決への近道です。専門家であれば、法的にも証拠能力のある状態で、データを取得できます。トラブルの全体像が把握しやすくなります。
調査にかかる費用は、依頼内容や端末の状態で異なりますが、得られる証拠や安心感は、金額以上の価値があるでしょう。iPhoneやパソコンの解析が必要な場面では、独断で行動してはいけません。信頼できる専門業者に相談して、デジタルフォレンジックの知見を有効に活用することが大切です。適切な対応を行うことが、相続の不正問題をはじめとした、さまざまなトラブルの解決につながります。
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