詳細な調査結果は、プレスリリース全文をご覧ください。

調査の背景
近年、インターネットバンキング、ネット証券、FX、さらには仮想通貨といった「デジタル金融資産」の普及が加速しています。
これらは利便性が高い一方で、物理的な通帳や書類が存在しないため、遺族がその存在自体を知らない、あるいはIDやパスワードが分からずにアクセスできないといった問題が深刻化しています。
遺族が直面する現実を可視化し、円滑な相続のための啓発を目的として本調査を実施しました。
調査結果
- 故人からデジタル金融資産の存在を聞いていた親族はわずか45%で、過半数の55%が情報未共有のまま相続に直面
- 故人からの情報がない場合、郵便物やパソコンの履歴から存在を知るケースが最多(40%)
- デジタル金融資産のID・パスワードは「エンディングノートに書かれていた」ケースが最も多いものの、その数は依然として限定的
- デジタル金融資産の相続では、「手続きに想定以上の時間がかかった」という回答が圧倒的多数
- 遺族が故人に「亡くなる前にしておいてほしかったこと」として、「終活、葬儀、お墓の希望」に次いで「断捨離(デジタル含む)」が上位
調査結果詳細:デジタル遺産、遺族が直面する現実
デジタル金融資産の有無に関する情報共有
過去5年以内に親族が亡くなり相続を経験した方を対象に、故人からデジタル金融資産(国内ネット銀行、ネット証券、海外口座、仮想通貨、電子マネーなど)の有無について生前に聞いていたか尋ねたところ、「聞いていた」と回答したのはわずか45%でした。
デジタル金融資産のID・パスワード入手方法
デジタル金融資産の相続において不可欠なID・パスワードの入手方法については、「エンディングノートに書かれていた」が最も多い回答でした。これは、エンディングノートを活用する層においては、デジタル資産の重要性が認識され、ID・パスワードの記載に至っていることを示唆しています。
デジタル金融資産の相続で困ったこと
デジタル金融資産の相続で最も困ったこととして、「手続きに想定以上の時間がかかった」が最多でした。資産の存在が不明瞭であることや、ID・パスワードが分からないといったデジタル資産特有の問題が、相続手続きを長期化させ、遺族の精神的・時間的負担を増大させている実態が明らかになりました。
亡くなる前にしておいてほしかったこと
相続経験を踏まえ、故人に亡くなる前にしておいてほしかったこととしては、「終活、葬儀、お墓の希望を伝えておいてほしかった」が最多でした。
調査結果についての見解
今回の結果をうけて弁護士の坪内清久氏のコメント
相続の現場を法律的に支援してきた立場から、今回の調査で明らかになった
「資産情報の伝達不足」は非常に重要な示唆を含んでいると感じます。
デジタル金融資産は、存在そのものが遺族に伝わらないまま相続手続きが始まってしまうケースが少なくなく、
その結果、相続が長期化したり、資産を見落としたりするリスクを招きます。
特にID・パスワードといった認証情報は法的にも技術的にも慎重な扱いが求められるため、
事前の整理や共有が不可欠です。
エンディングノートや遺言書を活用し、資産の存在やアクセス方法を適切に伝えておくことで、
遺族の負担を大きく減らすことができます。
デジタル資産が身近なものとなった今こそ、一人ひとりが生前から意識して準備することが、
円滑で安心な相続につながると考えます。
今回の調査を通じて、デジタル金融資産は現代の相続において不可欠な要素であるにもかかわらず、その情報伝達が不十分なために、遺族が多大な困難に直面していることが明らかになりました。エンディングノートや遺言書を活用した生前の準備こそが、こうした課題を解決し、円滑な相続を実現するための鍵となります。
この調査の詳細については、株式会社GOODREIのプレスリリースをご確認ください。
■本件に関するお問い合わせ
株式会社GOODREI 広報担当
メール:news@goodrei.tokyo