
総務省の調査によると、日本の空き家数は900万戸を超えて、2030年には1000万戸を超えると推計されています。これは、全国の住宅の7軒に1軒が誰も住んでいない計算です。少子高齢化や人口減少、相続放棄などを背景に、空き家の増加はすでに全国的な社会課題となっています。
こうした中で注目されているのが、「空き家バンク」です。これは、市町村などの自治体が中心となって、空き家の所有者と利用希望者をつなぐ仕組みで、放置された住宅を地域資源として、再生するための制度です。
国や自治体が連携して、移住・定住促進、地域経済の活性化、さらには環境負荷の低減までを視野に入れた取り組みとして、全国で導入が進んでいます。今回の記事では、空き家1000万戸時代の現実を踏まえながら、「空き家バンク」制度の仕組みや背景、相続の観点から詳しく整理していきます。
出典|総務省 令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果
空き家バンクとは何か?

空き家バンクとは、市町村などの自治体が中心となって運営する「空き家を活用するための仕組み」です。長く使われていない家や、住む人がいなくなった家を自治体が登録して、「住みたい」「借りたい」「使いたい」という人に紹介する制度です。
つまり、空き家の「持ち主」と「使いたい人」をつなぐ、公的な情報サイトのようなものです。もともと地方では、不動産の取引が少なく、空き家を売ったり貸したりしたくても民間業者だけでは、上手く進まない問題がありました。
さらに、所有者の中には「相続した家を、どのように活用すれば良いのかわからない」「傷んでいて売れない」「地元に戻る予定がない」と悩む人も多く、空き家が放置される原因になっていました。こうした課題を解決するために、自治体が仲介の役割を担う形で始まったのが、空き家バンクです。
空き家バンクの目的と仕組み

空き家バンク制度には、大きく三つの目的があります。
一つ目は、地方の「人口減少・高齢化・空き家の増加」への対応です。地方では若い世代の都市流出が進み、空き家が増えています。このまま放置すれば、地域の景観や安全性が損なわれて、過疎化がさらに進むおそれがあるのです。空き家バンクは、移住希望者や定住支援策と組み合わせることで、地域の衰退を防ぐ取り組みとして活用されています。
二つ目は、空き家を地域の資源として再生することです。空き家を「負担」ではなく「地域の財産」として生かす動きが広がっています。たとえば、古民家をリノベーションしてカフェやゲストハウス、シェアオフィス、地域交流スペースなどに変える例もあります。
こうした活用が観光客や移住者を呼び込み、地域経済の活性化につながっています。つまり、空き家バンクは単なる家探しの場ではなく、「人」と「地域」をつなぐ仕組みとしても機能しているのです。
三つ目は、所有者と利用者の双方にメリットをもたらすことです。所有者は、管理の手間や維持費の負担を減らしながら、賃貸収入や税の優遇を受けられる可能性があります。一方の利用者は、都市部より低コストで家を確保できます。地域の人々とつながりながら、新しい暮らしを始められます。
最近は、リモートワークの普及で「地方移住」や「二拠点生活」への関心が高まり、空き家バンクがその選択肢を広げているのです。
なぜ今、空き家バンクが注目されているのか

近年、日本各地で空き家の活用が注目を集めています。人口減少や高齢化により、全国の空き家は増加の一途をたどっており、その数は900万戸を超えるとされています。一方で、地方移住や二拠点生活、テレワークの普及により、都市部以外での暮らしへの関心も高まっているのです。ここでは、空き家バンクのメリットや国や自治体による支援の動向について、細かく解説します。
地方移住・二拠点生活・テレワークの広がり
近年、「地方移住」や「二拠点生活」といったライフスタイルが現実的な選択肢として広がりを見せています。その背景には、働き方改革やコロナ禍による価値観の変化があります。かつては「地方に住む=不便」というイメージが根強くありました。
しかし、テレワークやリモートワークの普及により、仕事と居住地の関係が大きく変わりました。今では「都市部に通わずとも、自身のスキルで働ける」「自然に囲まれた環境で、心身のバランスを整えながら働ける」といった考え方が定着しつつあります。
こうした動きを受けて、自治体も移住・定住促進に力を入れるようになりました。補助金制度や空き家改修助成、移住者向けの仕事紹介など、地域によっては「ゼロから暮らしを立ち上げる」ための支援体制が整いつつあります。
「空き家バンク」は、そうした支援策の中心的な存在として、注目を集めているのです。空き家バンクは、地方自治体や、地域団体が管理する空き家情報の公開・マッチング制度で、売買・賃貸の両方に対応しています。一般の不動産市場に出ていない物件も多く、価格が非常にリーズナブルな点が最大の魅力です。
住宅ストックの活用とサステナビリティ
これまでの日本の住宅政策は、「新築重視」の傾向が非常に強いものでした。戦後の住宅不足を背景に、量的な供給を最優先とした住宅建設が全国的に進められて、結果として現在では、総住宅数が世帯数を大きく上回る「住宅過剰社会」となっています。
全国の空き家率は13%台に達しているのです。こうした状況は、今後も高齢化や人口減少に伴って、さらに加速すると見られています。この「余剰住宅」をどのように活用していくのかは、地域政策・環境政策の両面で大きな課題であり、同時にチャンスでもあります。
国土交通省は近年、「住宅ストックの有効活用」を柱とする住宅政策へと転換を進めており、既存住宅の流通促進やリフォーム支援、空き家活用型の地域再生プロジェクトなどを推進しています。空き家を再生・再利用することは、地球環境の観点からも大切です。既存住宅を改修して活用することは、建築廃材の削減や資源の循環利用にも役立っています。
国・自治体による支援の強化
これまで空き家対策は、主に「老朽化した住宅の撤去」や「防災上の危険物件の是正」といった観点で進められてきました。しかし近年では、空き家を「地域資源」として再利用する発想が広がり、国土交通省を中心に、制度的な支援が大きく前進しています。
その象徴的な取り組みが、国土交通省が構築を進める「全国版空き家・空き地バンク」です。これは、各自治体が個別に運営していた空き家バンクを、国が主導する共通プラットフォーム上で一元化して、全国規模で空き家情報を共有・検索できるようにする仕組みです。
これにより、従来は地域ごとに分散していた情報が集約されて、利用希望者が地域を越えて比較・検討できるようになりました。たとえば、東京に住む人が地方移住を検討する際、全国の物件をまとめて閲覧できるようになり、移住・定住のハードルが下がるという効果が期待されています。
また、国の制度整備に呼応する形で、自治体レベルでも独自の支援が拡充しています。多くの市町村では、空き家バンクに登録された物件に対して、改修費や家財撤去費の一部補助、リフォーム助成金、購入支援金などの経済的支援を実施しています。
これにより、老朽化した住宅の再生が進み、地域に新たな居住者を呼び込む流れが生まれているのです。移住・定住を促進したい地方自治体では、「空き家バンクと移住支援金」の組み合わせを打ち出すケースが増えており、若年層や子育て世代への定住支援策として注目されています。
空き家バンクのメリット

空き家バンクは、単に住宅情報を提供する仕組みではなく、所有者・利用希望者・地域社会の三者に、それぞれ多くのメリットをもたらす制度です。所有者にとっては、管理負担の軽減や税負担の回避、資産の価値を次世代につなぐ手段になります。利用希望者にとっては、低コストで住まいを確保できるだけでなく、自分らしい暮らしを実現する柔軟性や自治体の支援を受けられる利点があります。
さらに、地域社会にとっては、人口定住の促進や地域資源の活用、景観・安全面の改善、そして新しい暮らし方のモデルづくりなど、多面的な効果が期待できるのです。ここでは、こうした空き家バンクのメリットを、各立場ごとに整理して紹介します。
所有者(売りたい・貸したい側)のメリット
空き家バンクの最も大きな特徴は、「使われていない家を活かしたい」と考える所有者にとって、多面的なメリットがある点です。長年住んでいない住宅をそのまま放置しておくと、建物の老朽化が進むだけでなく、防災・防犯・衛生などの面でリスクが高まります。
特に、屋根や外壁の破損による倒壊の危険、ゴミの不法投棄、火災や不審者の侵入など、放置空き家は、地域にとっても問題視される存在です。空き家バンクに登録して、利用希望者に引き継ぐことで、こうしたリスクを軽減しつつ、所有者自身の管理負担を大幅に減らせます。
空き家バンクを利用することで、所有してきた家の「価値」を次の世代につなぐことも可能です。多くの所有者にとって、家は単なる不動産ではありません。家族の思い出や地域とのつながりが詰まった場所です。
「壊す」ではなく「活かす」選択をすることで、地域の歴史や文化を受け継ぐサポートにもなります。古民家をリノベーションしてカフェやゲストハウスに再生する事例も増えており、所有者が見守るなかで、新しい形の「まちの財産」として再生されるケースも多いです。
利用希望者(買いたい・借りたい側)のメリット
空き家バンクは、住宅を手に入れたい利用希望者にとっても、さまざまなメリットがあります。まず、大きな特徴のひとつは、低価格で住まいを取得できる点です。一般的な新築住宅や中古住宅と比較すると、空き家バンクに登録されている物件は割安であるケースが多く、購入・賃貸コストを抑えながら、住居を確保できる可能性があります。
特に地方部では、駅近や利便性の高い物件であっても、都市部の半額以下で取得できることもあり、生活費や初期費用を大幅に節約できる点は大きな魅力です。また、空き家バンクの物件は単に「住む場所」として提供されるだけでなく、暮らしを自由に設計できる柔軟性があります。
多くの空き家は、リフォームやリノベーションの余地があり、利用者自身が間取りや内装を改装して、お気に入りの住まいを作ることが可能です。地方移住や二拠点生活を検討する人にとっては、既存の住宅を活用して理想のライフスタイルを実現できるという点で、大きな魅力になります。例えば、古民家をカフェ兼住居として改装したり、趣味の工房やシェアオフィスに転用したりする事例も増えています。
自治体・地域社会側のメリット
空き家バンクは、所有者や利用者だけでなく、地域社会全体にもさまざまなメリットをもたらします。まず注目されるのは、住民定住や人口回復への効果です。地方部では、少子高齢化や人口減少が進み、地域コミュニティの維持が大きなテーマになります。
こうした地域において、空き家を活用して、地域外からの居住者や起業者を受け入れることは、単なる住民増加にとどまらず、地域の活力を取り戻すきっかけです。新たな世代や多様な働き方をする人々が地域に定着することで、学校や商店、公共施設の維持にも良い影響を与える可能性があります。
次に、地域資源の活用という観点も見逃せません。空き家は、長期間使われずに放置されていた住宅ストックですが、これを再生してカフェ、民宿、工房、地域活動の拠点などに転用することで、地域の魅力や経済活動を活性化できます。特に、古民家や歴史的建造物などは、観光資源や文化的価値としても再評価されており、地域ブランドの向上にもつながります。
空き家バンクのデメリットと課題点

空き家バンクは、所有者や利用希望者、地域社会に多くのメリットを提供する制度です。一方で、注意すべきデメリットや運用上の課題も存在します。たとえば、制度が普及している地域とそうでない地域では、情報量や物件の選択肢に差があり、希望通りの住宅が見つからない場合もあります。
また、空き家を活用する際には、建物の老朽化や耐震性、設備の状態などが利用希望者にとって、大きなハードルになるかもしれません。特に古民家や築年数の長い住宅では、リフォーム費用や維持管理費が想定以上にかかるケースもあり、事前の十分な調査と計画が不可欠です。
さらに、所有者と利用希望者の間で、条件や権利関係の調整が必要となる場合もあります。自治体が仲介する場合でも、契約や改修、引き渡しに関わる法的・財務的な責任は、双方が理解しておかなければなりません。
建物・物件状態のリスク
空き家バンクに登録されている物件の多くは、長期間人が住んでいなかった住宅であるため、建物の状態や設備に関するリスクが存在します。たとえば、屋根や外壁の老朽化、木材の劣化、シロアリ被害、雨漏り、給排水設備の不具合などが起こっているケースがあります。また、耐震性や断熱性能が現行基準を満たしていない場合もあり、安全性や快適性に影響を及ぼすかもしれません。
利用希望者が内見や現地調査を行う際には、「思っていたよりも改修費用がかかる」「予想外の補修が必要だった」といった声も多いです。特に、築年数が古い住宅や、長期間管理されていなかった物件では、外見からだけでは状態を判断しにくいため、専門家による建物診断や見積もりが重要になります。
こうしたリスクは、所有者・利用者双方にとって、事前の計画と情報共有が不可欠です。利用希望者は、改修や維持管理の費用を正確に見積もり、ライフスタイルや予算に見合った住宅なのかを判断しましょう。一方で、所有者も、物件の現状や改修の必要性について、可能な範囲で情報提供して、透明性を確保することが求められます。事前の確認と準備をしっかり行うことで、後のトラブルを防ぎ、安心して空き家を活用できます。
情報の精度・登録条件の問題
空き家バンクに登録されている物件情報は、非常に便利です。一方で、情報の精度に課題がある場合があります。掲載されている写真や間取り、築年数、修繕の見込みなどが正確でなかったり、現況と異なったりすることもあります。
特に古い物件や、長期間利用されていなかった住宅では、掲載情報だけでは、建物の状態や必要な改修範囲を正確に把握できません。このため、利用希望者は情報をそのまま鵜呑みにせず、必ず現地での内見や専門家による調査を行うことが重要です。
交通・生活インフラ・立地の問題
空き家バンクを通じて、地方移住や地方での暮らしを検討する際には、交通や生活インフラ、立地条件が大きな課題になります。地方部には公共交通の便が限られていたり、最寄り駅やバス停から住宅までの距離が、長かったりするケースも少なくありません。
また、日常の買い物や病院の利用、郵便・金融機関へのアクセスなど、生活の基盤となる施設が十分に整っていない地域も存在します。さらに、インターネット回線やスマホの通信環境が不十分な場合、テレワークやオンライン学習など、現代的な暮らしに必要な環境を整えるのが難しいかもしれません。
所有者や自治体側も、これらの地域条件や生活インフラ面を、どの程度整備・支援できるのかが、空き家活用の成功を左右します。自治体によっては、移住者向けの交通補助や生活支援制度、ネット環境の整備支援などを行っている場合もあります。
物件や地域の魅力だけでなく、こうした生活基盤の状況を総合的に判断することが、空き家バンクを利用するうえでの重要なポイントです。
空き家バンクの契約・マッチングの課題
空き家バンクを通じた売買や賃貸契約では、所有者・利用希望者・自治体・仲介者といった複数の関係者が関与するため、手続きや交渉に、時間や手間がかかる場合があります。自治体が仲介役として関わる場合でも、契約条件の確認、必要書類の準備、法的手続きの対応など、関係者間での調整が必要となります。
そのため、スムーズに契約が成立するまでには、一定の時間と労力が求められることが多いのです。また、空き家バンクでは、所有者と利用希望者双方のニーズを適切にマッチングすることが重要です。所有者が設定した価格や修繕負担の条件、物件の用途に関する希望と、利用希望者の希望条件が一致しないと、契約の成立にはなりません。
特に立地や建物の状態が、利用希望者のニーズに合わない場合、所有者が「売りたい」「貸したい」と思っていても、適した利用者が見つからず、活用が進まないことがあります。さらに、契約の過程では、修繕費用の負担や契約後の管理責任、権利関係など、細かい条件についての調整も必要です。
これらの交渉や手続きが十分に行われないと、後々のトラブルに発展するリスクもあるでしょう。そのため、空き家バンクを利用する際には、自治体や専門家と連携しながら、双方の条件を丁寧に確認・調整することが、契約成功のカギになります。
スキーム運営・支援体制の課題
多くの自治体では、空き家バンクを担当する人員や予算が限られており、登録物件の現地調査、情報更新、利用希望者からの問い合わせ対応、契約後のサポート体制などが十分に行き届かないことがあります。
その結果、物件情報が古いまま掲載されていたり、利用希望者への対応が遅れたりするケースもあるでしょう。また、自治体によっては、改修補助金や移住支援金などの制度を用意しています。しかし、申請要件や手続きの複雑さ、支給タイミングの不透明さが、利用の妨げになることがあります。
「申請手続きに時間がかかる」「必要書類が多い」「対象条件が限定的である」など、利用者にとって、ハードルが高く感じられることも少なくありません。このように、空き家バンクの活用を進めるには、自治体の運営体制や支援制度のわかりやすさ、制度の利便性向上が、今後の大きな課題です。
空き家バンクを使ってみたい人へ

空き家バンクは、地方での暮らしや二拠点生活、地域活動の拠点づくりなど、さまざまな目的で活用できる制度です。しかし、利用する際には制度の仕組みや条件、物件の状態、自治体の支援制度などを、あらかじめ理解しておくことが重要です。
所有者にとっては、空き家を適切に管理しながら活用先を見つけること、利用希望者にとっては、安全で生活しやすい物件を選ぶことがポイントとなります。ここでは、登録から契約、活用までの具体的な流れについて整理します。
【空き家の所有者側】利用までのステップ
まずは、住宅の現況を把握しましょう。建物の築年数や設備の状態、法令に沿った建築なのか、所有権や相続の状況など、登録に必要な情報を整理しておくと、後でトラブルが起きにくくなります。
次に、登録条件を確認する必要があります。自治体ごとに異なりますが、「1年以上空き家であること」「所有権が明確であること」「必要な修繕をすれば使える状態であること」などが求められることがあるのです。事前に条件を確認して、登録できるのかを判断しましょう。条件を満たしていれば、登録申請に進みます。自治体所定の書類を提出して、場合によっては、現地調査や写真撮影があります。
住宅の状態や周囲の環境が確認された後、登録の可否が決まるのです。登録が完了すると、情報の掲載・公開になります。自治体のウェブサイトや全国版空き家・空き地バンクなどで、物件情報が公開されて、利用希望者から問い合わせが入ります。この段階では、問い合わせへの対応や内見の調整も、空き家の所有者の役割です。
その後、利用希望者との契約になります。売買契約や賃貸契約を締結して、契約条件や修繕負担なども事前に確認しておくことで、双方が安心して契約できます。契約後は引き渡しや改修、必要に応じた移住支援などの準備を進めましょう。
| 区分 | ステップ | 内容 |
| 所有者側(空き家を登録・貸したい人) | ① 現況を確認 | 空き家の築年数・設備・法令・所有者関係を整理して、登録に必要な情報を確認する。事前準備がトラブル防止につながる。 |
| ② 登録条件の確認 | 「1年以上使っていない家」「所有権が明確」「修繕すれば利用できる」など、自治体ごとの登録条件をチェックする。 | |
| ③ 登録の申請 | 条件を満たせば、自治体の申請書を提出する。必要に応じて、現地調査や写真撮影が入ることもある。 | |
| ④ 情報の公開 | 登録が認められると、自治体サイトや全国空き家バンクで物件が公開される。問い合わせ対応や、内見の調整も必要になる。 | |
| ⑤ 契約と引き渡し | 利用希望者とマッチングして、売買または賃貸契約を結ぶ。修繕費や引き渡し時期などの条件は、明確にする。 | |
| ⑥ 活用とフォロー | 引き渡し後も、地域との関わりや維持管理を続けることで、長く安心して活かせる空き家になる。 |
【空き家の利用希望者側】利用までのステップ
空き家バンクを活用して、住まいや活動拠点を得るには、ステップごとに準備を進める必要があります。まず、移住や二拠点生活、起業など、目的に応じて交通や医療、買い物、仕事環境などを整理しましょう。自身のライフスタイルに合った地域を選びます。
次に、自治体や全国版空き家バンク、民間の不動産サイトで条件に合う物件を探して、見学や現地調査で建物や設備、立地や暮らしやすさを確認します。可能であれば、試住で生活感を体験すると安心です。物件が決まったら、所有者や自治体と条件を調整して、売買契約や賃貸契約を締結します。
契約後は、必要に応じて、リノベーションや住所変更、地域との関係づくりなど、移住・定住の準備を進めましょう。最後に、実際に住み始めて、仕事や地域活動をスタートさせます。こうした段階を踏むことで、住まいの確保と地域のつながりを両立させながら、空き家を活用できます。
| 区分 | ステップ | 内容 |
| 利用希望者側(住みたい・使いたい人) | ① 地域を選ぶ | 「移住・起業・二拠点生活」など目的に合わせて、住みたい地域を選び、生活環境(交通・医療・仕事・暮らし)を確認する。 |
| ② 空き家を探す | 自治体のサイトや全国空き家バンク、ポータルサイトで条件に合う物件を検索する。価格・築年数・修繕状況を比較する。 | |
| ③ 見学・現地確認 | 実際に家を見て、建物の状態・周辺環境・地域の雰囲気をチェックする。できれば、試住(お試し滞在)もしてみる。 | |
| ④ 契約を進める | 所有者・自治体・不動産会社などと、価格や修繕負担、引き渡し時期を話し合い、売買または賃貸契約を結ぶ。 | |
| ⑤ 準備・改修 | リフォームやリノベーションを行いながら、住所変更や地域との関係づくりを進める。 | |
| ⑥ 定住・活用開始 | 実際に住み始め、地域活動や仕事をスタートする。地域と関係を築き、長く暮らせる環境づくりを行う。 |
空き家バンクとデジタル遺品整理の連携で安心な活用を

高齢化の進展や単身世帯の増加により、使われなくなった住宅、いわゆる空き家が全国的に増えています。自治体が運営する空き家バンクは、こうした住宅を借りたい・買いたい人と、貸したい・売りたい人をつなぐマッチングシステムとして注目されています。
しかし、空き家を活用する際には、建物そのものだけでなく、家の中に残された物品や書類、さらにはパソコンやスマートフォンなどに保存されたデジタル情報を、まずは整理する必要があります。
ここで重要になるのがデジタル遺品業者の存在です。デジタル遺品業者は、故人や高齢者が残したオンライン口座、クラウドサービスのデータ、メールやSNSのアカウントなど、目に見えないデジタル遺品の整理・引き継ぎを専門に行います。
これにより、所有者は個人情報の漏洩やトラブルを防ぎつつ、空き家の売却や活用に集中できるようになります。さらに、空き家バンクの活用と、デジタル遺品整理を組み合わせることで、単に建物を有効活用するだけでなく、家の中の情報や資産を安全に整理して、売却や賃貸の際に発生しうる問題を、未然に防ぐことが可能です。
空き家バンクの活用を考える際には、建物だけでなく、デジタル遺品の整理もセットで考えることが、これからの時代に求められる新しい準備につながります。
まとめ

ここまで見てきたように、空き家バンク制度は、日本の空き家問題に対応する有効な手段として注目されています。この制度は、所有者、利用希望者、自治体のそれぞれにメリットがありますが、単に登録するだけではなく、三者が協力して、どのように物件を地域づくりにつなげるのかが課題です。
まず、所有者は、物件の現状と将来の可能性をしっかりと見極めたうえで、空き家バンクへの登録や活用を検討することが大切です。売却や賃貸収入を得るだけでなく、地域との関わり方や建物の維持管理、リノベーションの可能性まで考えることで、より価値ある活用につなげられます。
次に、利用希望者は、物件の状態や改修の必要性、地域の暮らしやインフラ、地域コミュニティとの関係などを、事前に調べることが重要です。現地の確認や試住、専門家への相談を通じて、予想外の負担やリスクを把握しましょう。
長期的に快適で持続可能な生活を送る準備をすることが、成功のポイントです。また、デジタル遺品の整理が完了している物件は、特にトラブルが少なく、安心して暮らしを始められるため、選択の際の判断材料になります。
自治体や地域も、単に物件情報を提供するだけでなく、所有者や利用希望者への支援体制を整えることが必要です。移住定住支援金やリノベーション補助金の活用、地域コミュニティとの橋渡しなど、暮らしや仕事、交流までを含めた総合的なサポートがあることで、空き家の活用が円滑に進み、地域全体の活性化につながります。
空き家は放置すれば、倒壊や景観悪化、犯罪リスクなどの「負の遺産」になるかもしれません。しかし、視点を変えれば、空き家は「地域に新しい世代や多様なライフスタイルの人を迎える」「新しい暮らし方を生み出す」「地域資源として価値を高める」重要な入口です。
今後は、物件情報の精度向上やAI・デジタル技術の活用、自治体や民間の支援体制強化、地域ビジョンとの連動が進むことで、より多くの空き家が再生されるでしょう。地域と人をつなぐ可能性が広がります。「住む」「活かす」「つなぐ」という視点で空き家を活用すると同時に、デジタル遺品の整理も含めた、総合的な準備を行うことで、地域に新しい活力が生まれて、まちが再び息を吹き返す未来が期待できます。
この記事の監修者

石坂貴史
マネーシップス運営代表・FP
証券会社IFA、2級FP技能士、AFP、マネーシップス運営代表者。デジタル遺品や相続をはじめとした1,100件以上のご相談、記事制作、校正・監修を手掛けています。金融や経済、相続、保険、不動産分野が専門。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポートいたします。
【デジタル資産バトン(デジタル遺品調査サービス)のご案内】
「故人が遺したPCやスマートフォンのパスワードが分からず、開けない」 「ネット銀行や仮想通貨を保有していたはずだが、情報が見つからない」 「どのようなデジタル資産があるか分からず、相続手続きが進められない」
ご家族が亡くなられた後の、デジタル遺品の整理でお困りではありませんか。 「デジタル資産バトン」は、ご遺族に代わって故人のPCやスマートフォンなどを調査し、相続に必要なデジタル資産の情報を見つけ出すサービスです。
私たちは、ご遺族のお気持ちに寄り添い、以下の内容で信頼性の高い調査をお約束します。
✔️ PC・スマートフォンのデータ調査 ロック解除やパスワード解析を行い、アクセスできなくなった故人のデジタル機器を調査します。専門技術で内部のデータを抽出し、資産や契約の手がかりを探します。
✔️ デジタル資産の発見サポート 調査で得られた情報をもとに、ネット銀行、証券口座、暗号資産(仮想通貨)、各種サービスの契約など、ご遺族が把握していなかった資産や契約の発見をサポートします。
✔️ 相続手続きのための報告書作成 発見された資産や契約に関する情報を整理し、相続手続きに利用しやすい形で報告書としてお渡しします。
✔️ 徹底した秘密保持 故人のプライバシーと、ご遺族からお預かりする情報を厳格に管理し、秘密を守ります。安心してご依頼いただける体制を整えています。
✔️ 専門家との連携 調査結果をもとに、弁護士や税理士など相続の専門家へのご相談が必要な場合も、スムーズな連携が可能です。
故人の大切な資産を、確実な形で未来へつなぐために。 まずはお困りの状況を、専門の担当者へお聞かせください。
▼ 詳細・ご相談はこちらから ▼

