あなたが亡くなった際に、配偶者が認知症を患っていた場合、遺産の把握が難しかったり、遺産分割協議ができないなど、残された家族や子どもたちが困ってしまうことがあります。

こうした事態を防ぐためには、遺言書を作成したり、生前の財産整理を行うことが重要。
特に近年では、デジタル遺産の把握が難しいために相続手続きができないことがあります。
この記事では、生前に行っておくべき対策や、特にデジタル遺産の問題を解決してくれるスマホの生前整理サービス「デジ・タクセル」について紹介します。
父死亡・母認知症だと相続手続きが困難になる?
相続人の中に認知症の方がいる場合は、相続手続きが困難になることがあります。
今では、男女ともに平均寿命が長く、2024年(令和6年)の時点で男性は81.09歳、女性が87.13歳となっています。
夫婦のうち、夫が亡くなる時点で妻がまだ存命している可能性が高いわけですが、妻が健康であるとは限りません。
妻が認知症になってしまっていることもあり得るわけです。
妻が認知症の場合、残された子どもたちが相続手続きを行う際に大きな負担 をかけることになります。
どのような点で困るのか確認しましょう。
遺産の把握が難しい
夫婦の財産は妻が管理しているという家庭もあるでしょう。
この場合、自分が亡くなっても遺産のことは妻が把握しているから何の問題もないと思っている夫も多いと思います。
しかし、妻が認知症になってしまうと、夫の遺産がどれだけあるのかが分からなくなってしまうことがあります。
そのため、遺産を把握できず、妻自身はもちろん子どもたちも相続手続きを進めるのが難しくなってしまいます。
こうした事態を防ぐためには、ご自身の財産について、元気なうちに整理して「財産目録」の形でまとめておくことが大切です。
特に現在では、ネット銀行やネット証券などのいわゆるデジタル遺産の把握が難しいことがあります。
これらのデジタル遺産はログインIDやパスワードを本人しか知らないことも多く、ご本人が亡くなってしまうと、配偶者の方が健康だったとしても把握できず結果として相続手続きができなくなってしまうことがあります。
遺産分割協議ができない

被相続人が亡くなった際、残された遺産をどのように分け合うのかについて遺言書がない場合は、相続人同士でその遺産をどのように分け合うのか話し合う必要があります。
これを遺産分割協議と言います。
遺産分割協議を有効に行うためには、次の2つの要件を満たす必要があります。
- 相続人全員が参加する。
- 参加する相続人の全員が意思能力及び行為能力を有する。
相続人全員が参加していたかどうかに関してトラブルとなりやすいのが、いわゆる隠し子が発覚したケースです。
亡くなった夫が今の妻と結婚する前に別の女性との間に子をもうけていたり、婚姻中でも愛人を作って子を産ませていたような場合です。
妻なら、隠し子がいることを知っている可能性がありますが、認知症が進行してしまっていると覚えていない可能性もあるでしょう。
もっとも、遺産分割協議に先立ち戸籍を調査していれば、後で隠し子が発覚して遺産分割をやり直さなければならない事態は防げます。
そして、妻が認知症になってしまった際のケースでは、妻に意思能力があるかどうかが大きな問題になります。
遺産分割協議における意思能力とは、話し合いの内容を理解でき、遺産の分け方が自分にとって有利か不利か判断できる能力のことです。
話し合いができないほどまで認知症が進行してしまっている場合は、意思能力がないため遺産分割協議に参加することができません。
この場合は、妻のために法定後見人等を選任する必要があります。
【改正法】成年後見制度が変わる?
成年後見制度は法改正の手続きが進められており、今後大きく変わる見通しです。
成年後見制度は、いったん開始したら生涯利用を止められない点が大きな問題でした。
遺産分割協議のためだけに成年後見人を選任した場合でも、相続手続きが終わった後も、成年後見人を解任することができず報酬を支払い続けなければならなかったわけです。
成年後見制度については現在、見直しの議論が進められています。
利用終了の柔軟化などが検討されていますが、詳細は今後の制度改正によって変わる可能性があります。
遺産分割協議のためだけに補助制度を利用するというケースでは、遺産分割協議の終了後に、補助制度の利用を取りやめることも可能になる見通しです。
柔軟な遺産分割ができない
妻が認知症のため、成年後見人を選任した場合は、柔軟な遺産分割が難しくなります。
遺産分割は、法定相続分で分ければよいというものではなく、今後、妻が亡くなった際の相続(二次相続)も見据えて行うものです。
特に相続税が発生するケースでは、妻に多額の遺産を相続させてしまうと二次相続の際にも相続税が掛かってしまい、トータルで多額の相続税の支払いが必要になってしまうことがあります。
また、妻が認知症の場合は、実家で一人暮らしさせることは難しいこともあります。
子どもたちの誰かが引き取って世話をしなければならなかったり、施設に入居させる必要が生じます。
この場合は実家の処分も検討することになります。
しかし、認知症の妻の代わりに成年後見人が遺産分割協議に参加する場合は、本人の利益保護を重視するため柔軟な分割が難しくなる傾向があります。
成年後見人は、法律上妻に認められている権利や利益を守ることが職務なので、妻に不利になるような遺産分割には応じられないのです。
その結果、二次相続を見据えた遺産分割ができなかったり、実家を処分することができず、妻が亡くなるまで空き家のまま放置されてしまうこともあります。
父死亡・母認知症の相続で子どもたちが困らないための生前対策とは?
父死亡・母認知症の相続のパターンで子どもたちが困らないようにするには、生前の相続対策が重要です。
ご自身が亡くなった場合に子どもたちがどのようなことで困るか想像し、元気なうちに準備を進めていきましょう。
遺言書を作成する
ご自身が亡くなった際に配偶者の方が認知症の場合、遺産分割協議が難しくなります。
ただ、遺産分割協議が必要なのは、遺言書がない場合だけです。
あなたがすべての財産を誰に相続させるか、又は遺贈するかを明確に決めた遺言書を残していれば、原則として遺産分割協議が不要になるケースが多くなります。
遺言書には、自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類があります。
自筆証書遺言は、ご自身で作成することができ、手数料等もかかりません。
ただ、民法で定められた全文の自書、日付及び氏名の記載、押印といったルールを遵守しなければ無効になってしまうため、注意が必要です。
また、自筆証書遺言は一つしかなく、保管場所を相続人の誰かに伝えておかないと、発見されないリスクがあります。
更に、家庭裁判所での検認手続きが必須となる等、相続人に手間をかけてしまうこともあります。
なお、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用すれば、これらのリスクをある程度回避することもできます。
公正証書遺言は、公証人に遺言の内容を伝えて作成してもらうもので、最も確実な遺言方法になります。
公証人は法律の専門家なので、無効な遺言にならないようにアドバイスしてくれますし、遺留分に配慮する等、相続トラブルを回避するための施策も講じてくれます。
確実な遺言書を作成したいなら、公正証書遺言を利用しましょう。
【改正法】デジタル遺言
遺言制度についても現在、法改正が進められており、今後、大きく変わる見込みです。
特に、パソコンやスマホで遺言書を作成する「デジタル遺言」は、デジタル技術を活用した遺言制度の導入が議論されています。
ただ、デジタル遺言は、自筆証書遺言書をパソコンやスマホで作成するという単純なものではありません。
正確な名称は、「保管証書遺言」と言い、次の手順で作成されることになっています。
- パソコンやスマホで遺言書を作成する。
- 法務局の遺言書保管官の前で、遺言の全文を口述する。
- 遺言書保管官が当該遺言に係る証書を保管する。
現行の自筆証書遺言書保管制度に似た制度になります。詳細は、今後、決まっていく見通しです。
家族信託を利用する

家族信託とは、ご自身の財産の管理や処分権限を子ども等の家族に託すことができる制度です。
配偶者が認知症になった場合、ご自身の財産で介護費用を捻出してもらいたいといった希望がある場合は、予め、子どもと家族信託の契約を結んでおきましょう。
いざという時に、子どもが生活費のための預金の引き出しや施設入居に合わせた不動産の売却などをスムーズに行えるようになります。
生前の財産整理
遺産の総額が相続税の基礎控除額 (3,000万円 + 600万円×法定相続人の数) 以下の方だと、生前の相続対策は必要ないと思い込んでいる方も少なくないと思います。
しかし、その場合でも「生前の財産整理」だけは確実にやっておくべきです。
具体的には、ご自身が有している財産を棚卸して、財産目録の形で整理しておきましょう。
現在では、いざ相続が発生した時に、いわゆるデジタル遺産が大きな問題となることが少なくありません。
- あなたのネット銀行やネット証券のログインIDやパスワード
- あなたのスマホのロック解除のパスワード
- あなたがネットで利用しているサブスクリプション(月額サービス)
こうした情報は、配偶者でさえ知らないことも珍しくありません。
ネット銀行やネット証券に数千万円の財産があったとしても、相続手続き自体ができなくなるリスクがあります。
サブスクリプションにしても、解約手続きができなければ、カードが利用できなくなるまで課金され続けてしまいます。
こうした事態を避けるためには、デジタル遺産も含めて、財産目録として整理しておくことが大切です。
あなたが亡くなるとスマホはどうなる?

あなたが亡くなると、あなたのスマホはどうなるか想像したことはありますか?
多くの場合は、配偶者や家族があなたのスマホの中身を見ようとするでしょう。
上記で解説したとおり、デジタル遺産の把握のためには、あなたのスマホを見るのが最も効率的だからです。
ただ、スマホのロック解除のパスワードを家族が知らなければ、中身を見ることはできません。
一方で、スマホの中身を見られると困ることもありませんか?
- SNSのメッセージ履歴
- 検索履歴や閲覧履歴
- 利用しているアプリ
- 写真フォルダ
これらの情報は、あなたの個人のプライベート情報が詳細に分かってしまう に等しいものです。
こうした情報が家族に知られてしまうのは恥ずかしいばかりでなく、最悪の場合は、残された家族があなたを弔う意思を失ったり、家族の崩壊につながるリスクもあります。
そこで重要なのは、スマホの情報のうち、デジタル遺産につながる情報など、家族に伝えるべき情報は確実に残し、見られると困る情報は消去しておくことです。
スマホ・デジタル資産の生前整理サービス「デジ・タクセル」とは?
あなたが亡くなる直前に、スマホの情報をご自身で整理することはほぼ不可能です。
意識が朦朧とした状態では、スマホを握ることすら困難だからです。
さらに、高齢になればなるほど、昨日までは元気だったのに突然亡くなってしまう リスクも高まり、こうした整理を家族だけで行うのが難しいケースもあります。
そこで利用を検討したいのが、スマホ・デジタル資産の生前整理サービス「デジ・タクセル」です。
デジ・タクセルはあらかじめ専門業者と契約することで、あなたが亡くなった際にスマホをお預かりし、スマホの情報を整理したうえで、ご家族にお渡しするサービスです。
見られてはいけない情報は確実に消し、ご家族に届けるべきデジタル資産の情報を橋渡ししてくれます。
まとめ

あなたが亡くなった際に配偶者が認知症になっている場合は、
- 遺産の把握が難しい
- 遺産分割協議ができない
- 柔軟な遺産分割ができない
といった理由により、残された子どもたちが相続手続きで苦労することがあります。
これを防ぐためには、
- 遺言書を作成する
- 家族信託を利用する
- 生前の財産整理を行う
といった対策を生前に講じておくことが重要です。
あわせて、家族が見る可能性の高いスマホの情報を整理するためのサービス「デジ・タクセル」のご利用もご検討ください。






