サブスク契約者が死亡したらどうなる?放置リスクと家族がすべき解約手続き

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「どのサブスクを契約しているかわからない」

「スマホもロックされていて何もできない」

家族が亡くなった後のサブスク解約について、何から手をつけていいか分からず戸惑う方が増えています。

故人のサブスクは放置していても自動で解約されるわけではありません。

気づかないまま放置すれば、料金が引き落とされ続けたり、相続放棄に影響したりと、大きなトラブルを招くこともあります。

本記事では、サブスク解約に関するトラブルを防ぐために

  • 死後も課金が続く理由
  • 放置によるリスクと相続への影響
  • サブスク契約状況を確認する方法
  • 故人のサブスクを解約する手順
  • ログインできない場合の対処法
  • 今からできる備え

についてわかりやすく解説します。

目次

サブスクは死後も請求される!家族が気づかない“自動継続”の落とし穴

家族が亡くなった後、意外と見落とされがちなのが「サブスクリプション(通称:サブスク)」の存在です。

まずは、現代におけるサブスクの利用実態と、サブスク契約者が亡くなった場合どうなるのかについて、詳しく解説します。

動画・音楽・クラウド…今やサブスクは誰もが使う時代に

動画配信や音楽アプリ、クラウドストレージ、電子書籍など、いまや私たちの暮らしは、さまざまな「サブスクリプション(通称:サブスク)」サービスに囲まれています。

サブスクは年齢層を問わず広く浸透しており、「気がつけば複数のサービスを契約していた」という方も少なくありません。

たとえば、皆さんの中でもNetflixやAmazonプライム、Spotify、iCloud、Googleドライブなど、ご家庭の誰か1人はこうしたサービスを利用しているのではないでしょうか。

とくに音楽・動画配信系のサービスは急速に普及しています。

経済産業省の2024年発表によると、2023年の音楽配信市場は1,024億円。そのうち、定額制のサブスクは全体の9割超にあたる930億円を占めており、2020年からの3年間で約33%増と、市場が大きく拡大していることがわかります。

▶参考データ:経済産業省「音楽産業の新たな時代に即したビジネスモデルの在り方に関する報告書 データ集

さらに、一般社団法人日本映像ソフト協会の調査では、有料の定額見放題を含む動画配信サービスの利用者数が2018年から2022年の5年間で76.3%増加し、約1.7倍に伸びたと報告されています。

▶参考データ:一般社団法人 日本映像ソフト協会「映像ソフト市場規模およびユーザー動向調査 2022

こうしたデータからもわかる通り、サブスクは年齢に関係なく当たり前の存在となりつつあり、「亡くなった家族も何かしらのサブスクを契約していた可能性が高い」と考えておくべき時代です。

契約者が死亡してもサブスクは基本的に継続される

サブスクは、契約者本人が亡くなっても自動で解約されることはまずありません

これは昔でいうと、「レンタルビデオを返却しないまま、店から延滞料金の請求が来続けるような状態」に似ています。

基本的にサブスク契約には「死亡時に自動で終了する」といった条項が明記されていない場合がほとんどです。

たとえばAmazonプライムやApple Music、NETFLIXなどの大手サービスも、利用者の死亡を自動で検知して解約する仕組みはありません。

誰かが解約の意思を持って手続きを行わなければ、故人が生きているかのように課金は続いていきます

ここで厄介なのは、遺族が契約の存在にまったく気づかないまま放置してしまうケースです。

サブスクの契約通知や請求明細は、基本的に契約者本人のメールアドレスにのみ送られます。

つまり、メールアカウントにアクセスできなければ、契約があることすら把握できません。

支払い方法がクレジットカードだった場合、家族が明細を見て初めてサブスク契約に気づくということも多いのです。

亡くなった家族のサブスクを放置するとどうなる?解約しないと起こる5つのリスク

サブスク契約を故人の死後にそのまま放置すると、思わぬトラブルや金銭的損失を招く可能性があります。

ここでは、特に注意すべき5つの放置リスクについて解説します。

サブスク料金が延々と引き落とされ続ける

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最も多いトラブルが、家族が契約に気づかず、料金が毎月または毎年自動で引き落とされ続けていたというケースです。

たとえば、NetflixやAmazonプライムなどの動画配信サービスや、iCloudやDropboxのクラウドストレージは、本人が解約しない限り自動更新が前提となっています。

支払い方法がクレジットカードや口座引き落としの場合、明細を確認するまで故人の契約が今も続いていることに気づけなかった、というケースも珍しくありません。

故人のNetflixの契約を解約せずに1年間放置していた場合、毎月1,590円ずつ、合計19,080円が自動で引き落とされることになります。

スタンダードプラン 月額1,590円×12ヶ月=19,080円

※2025年5月時点の料金プランで算出

▶参考:プランと料金|NETFLIX ヘルプセンター

このように、たとえ使っていなくても契約を止めなければ費用はかさみ続けます。放置による損失を防ぐためにも、早めの対応が重要です。

クラウド上の大切なデータが消失する可能性がある

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もし支払いが滞ってアカウントが凍結された場合、一定期間後にデータが自動的に削除されるリスクがあります。

たとえば、ファイルやフォルダの保管・管理・共有などができるクラウドストレージ「Dropbox」がこれに当てはまります。

Dropboxの無料プラン(Basic)には2GBのストレージ制限があります。有料プランから無料プランにダウングレードした際、保存されているデータが2GBを超えていると、Dropboxはユーザーに通知を行い、最新のファイルから順に削除してストレージ容量を制限内に戻す措置を取ることがあります。削除されたファイルは30日間「最近削除したファイル」に保存され、その後完全に削除されてしまうのです。

▶参考:Dropbox Basic ストレージ容量の超過に関するよくある質問|Dropbox ヘルプセンター

クラウド上に、写真・動画・連絡先・メモなど、故人の思い出や重要な記録が含まれている場合も少なくありません。

大切な家族の思い出や重要な情報を失わないためにも、早めの対処が必要です。

個人情報が流出し不正利用される危険性がある

サブスク契約を放置することで、故人の個人情報がインターネット上に残ったままになるという問題もあります。

特にメールやSNS、ネットバンキングなどと連携しているサービスは、ログイン情報やクレジットカード情報、本人確認書類の画像が保存されていることがあります。

悪意ある第三者にアカウントを乗っ取られると、詐欺やなりすまし被害にも繋がりかねません

知らずに支払うと相続放棄できなくなる場合がある

相続放棄を検討している場合、故人のサブスクの扱いには注意が必要です。

相続放棄とは、亡くなった方(被相続人)の財産や債務を一切引き継がないと家庭裁判所に申し立てる手続きのことです。財産だけでなく借金などの負債も相続対象になるため、「マイナスの財産が多い」「負担を背負いたくない」といった事情がある場合に取られる選択のひとつです。

なぜなら、相続放棄をする前に故人の支払い義務を履行してしまうと、相続を受け入れたとみなされ、放棄が認められなくなる可能性があるからです。

たとえば、故人の財産を使ってサブスク料金の支払いをしてしまった場合、家庭裁判所が「相続の意思あり」と判断するケースがあります。

その結果、他の負債も引き継ぐことになり、予期せぬ負担を背負うことになるかもしれません。

もし相続放棄を考えているのであれば、故人のサブスク整理は相続放棄が受理された後に行うのが安全です。

サブスクと相続の関係については、本記事の「サブスクと相続の関係は?損しないために知っておくべき3つのポイント」でも詳しく解説していますので、参考にしてください。

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未使用分の返金が受けられなくなる可能性がある

サブスクによっては、未使用分の期間に対して返金や精算に応じてくれる場合もあります

たとえば、Amazonプライムでは、契約者本人もしくはその家族がプライム特典を一度も利用しない状態で解約手続きをした場合、プライム会費が全額払い戻されます。

▶参考:Amazonプライム会員規約|Amazonプライム ヘルプ&カスタマーサービス

しかし、一定期間を過ぎてしまうと、返金不可となる規約を設けているサービスも多く、放置していたことにより「本来受け取れたはずの金銭的権利を失っていた」ということも起こり得るので注意が必要です。

サブスク解約の第一歩は状況の把握から!4つの契約確認方法

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家族が亡くなったあと、サブスクを解約したくても「そもそもどのサービスを契約しているか分からない」というのが最初の壁です。

多くのサブスクは契約者本人にだけ通知が届くため、遺族が気づかないまま料金だけが引き落とされるケースが少なくありません。

ここでは、故人の契約状況を確認するための具体的な4つの方法をご紹介します。

エンディングノートを確認する

まず確認すべきなのが、エンディングノートです。

エンディングノートは、形式が決まっている遺言書とは違って自由に記載することができます。

そのため、故人が生前に、契約中のサブスクやアカウント情報をまとめてエンディングノートに残してくれている可能性があります。

以下のような情報が書かれていれば、スムーズに解約手続きを進めることができるでしょう。

  • 契約中のサービス名(Netflix、Spotifyなど)
  • 利用しているメールアドレスやID
  • パスワードやパスワード管理アプリの場所

逆に、これらの情報が見つからないと調査に時間がかかり、放置リスクが高まります。

エンディングノートがあるかわからない、どこに保管されているかわからないという場合は、自宅、貸金庫、司法書士への相談履歴などを確認してみてください。

クレジットカードや銀行明細を確認する

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次に確認したいのが、故人のクレジットカード・銀行口座の利用明細です。

サブスクの多くは月額または年額課金されており、明細にその痕跡が残ります。

具体的には、以下のような名称が明細に表示されることがあります。

  • APL*(Apple経由)
  • GOOGLE*(Google経由)
  • AMZN PRME(Amazon Prime)
  • NETFLIX.COM
  • SPOTIFY

年払いの場合は数か月に一度しか引き落としがないため、明細を遡って複数月分チェックする必要があります。手間はかかりますが、数ヶ月〜1年分は遡って確認するようにしましょう。

これにより、「見えない契約」の存在を把握できる可能性があります。

明細の取得が難しい場合は、故人名義の通帳やカード明細の郵送物がないかを確認し、必要に応じて金融機関に照会を依頼しましょう。

故人のスマホ・パソコン・メールを確認する

最も確実に情報を得られるのが、故人が使っていたスマートフォンやパソコンです。

これらのデバイスにログインできる状態であれば、以下の情報が確認できます。

  • メールアプリ内の契約通知メール
  • ブラウザの履歴やブックマークにあるサブスクサイト
  • アプリストアの購入履歴(Apple IDやGoogleアカウント)
  • パスワード管理アプリ(1Password、Googleパスワードマネージャー など)

これらから、複数のサブスク契約を一気に把握できる可能性があります。

特に、Apple IDやGoogleアカウント経由で契約している場合は、それぞれの「定期購入管理」画面をチェックすると一括で確認できます。

【iPhone向け】Apple IDで契約しているサブスクを確認する手順

  1. 「設定」アプリを開く
  2. 一番上の「自分の名前(Apple ID)」をタップ
  3. 「サブスクリプション」をタップ
  4. 契約中または期限切れのサブスク一覧が表示される

【Android向け】Google Play 経由で契約しているサブスクを確認する手順

  1. 「Google Play ストア」アプリを開く
  2. 右上のプロフィールアイコンをタップ
  3. 「お支払いと定期購入」→「定期購入」を選択
  4. 現在契約中のサブスク一覧が表示される

故人のメールアカウントにログインできる場合は、「ご利用明細」「定期購入」などの文言で検索すると、サブスク契約しているサービスが見つかることもあります。

デバイスがロックされていて開けない場合や、パスワードが不明な場合の対処法は本記事の「サブスクのログイン情報がわからない場合の対処法」で解説しているので、参考にしてください。

料金未払いのハガキが届いていないか確認する

故人の口座やクレジットカードを止めると、引き落としができなくなったサービスから「料金未払いの通知ハガキ」や請求書が自宅に届くことがあります。

こうした郵送物は、遺族が故人の契約状況を把握する手がかりになります。特に、ログイン情報が分からないサブスクの場合、通知ハガキが唯一の証拠となるケースも少なくありません。

ポストや故人の机の引き出しなど、郵便物がたまりやすい場所は念入りに確認しましょう。

【4STEPで解説】亡くなった家族のサブスクを解約する際の基本的な流れ

亡くなったご家族のサブスクを解約するには、「何を契約していたか」「どこに連絡すればよいか」「どんな書類が必要か」といった実務的なステップを順を追ってクリアする必要があります。

この章では、できるだけスムーズに手続きを進めるための4つの基本ステップをご紹介します。

STEP1 契約中のサービスを特定する

まず最初にやるべきことは、故人が契約していたサブスクリプションサービスを洗い出すことです。

前章で触れた通り、以下のような方法で契約中のサービスを確認できます。

  • エンディングノートに記載がないかを確認
  • クレジットカード明細や銀行引き落とし履歴を調査
  • 故人のスマホやパソコン、メールに残された通知を確認
  • 自宅に料金未払いのハガキが届いていないか確認

STEP2 各サービスの問い合わせ窓口を確認する

契約しているサービスが判明したら、次にそれぞれの運営元の問い合わせ窓口を調べる必要があります。

多くの大手サービス(Amazon、Apple、Google、Netflixなど)では、サポートページやヘルプセンター内に「死亡時の手続き」や「契約者本人以外による解約」について案内されています。

以下に、主要サービスのお問い合わせ窓口を一覧でまとめました。

サービスお問い合わせ窓口
Apple亡くなったご家族のApple Accountへのアクセスを申請する方法 – Appleサポート
Google故人のアカウントに関するリクエストを送信する – Googleアカウントヘルプ
Amazonご遺族からのお問い合わせ – Amazonカスタマーサービス
Netflix亡くなられたNetflixメンバーのアカウントをキャンセルする方法 – Netflixヘルプセンター
スカパー!契約者が亡くなった場合の解約方法を知りたい – スカパー!ヘルプセンター

サービスによって窓口や案内方法が異なるので確認が必要です。

案内されていない場合には、サービスの運営会社やサポートセンター、ヘルプデスクなどに直接問い合わせて確認しましょう。

たとえば、Spotifyの場合アカウントにログインできればそこから解約手続きを進めることができますが、ログインできない場合にはSpotifyサポートに連絡する必要があります。

公式サイトに案内がないからといって、放置しないようにしましょう。

STEP3 必要書類を準備する

サブスクの解約にあたっては、本人確認および死亡確認のための書類提出を求められるケースが大半です。

主に以下のような書類が必要になります。

  • 死亡診断書のコピーまたは戸籍謄本(故人の死亡を証明)
  • 解約を申請する人(遺族)の身分証明書
  • 契約情報が分かるもの(メール、会員番号、利用明細など)

一部のサービスでは、相続関係を証明するために「法定相続情報一覧図」や「遺言書の写し」などを求められる場合もあります。

必要書類はサービスごとに異なるため、STEP2で必ず最新情報を確認してください。

STEP4 各サービス窓口で解約手続きを進める

書類が揃ったら、各サービスの指定する方法で実際の解約申請を行います。

電話や専用フォーム、郵送など手続き方法はサービスごとに異なるのでSTEP2で事前に確認しておきましょう。

重要なのは、「自分が故人の遺族であること」および「解約の意思があること」を明確に伝えることです。

サブスクのログイン情報がわからない場合の4つの対処法

故人が契約していたサブスクを解約したくても、「ログイン情報がわからない」というのは非常に多い悩みのひとつです。

特に、パスワードの管理がアナログだったり、家族と共有されていなかったりすると、解約手続きが進まず放置せざるを得ない状況に陥ることも。

ここでは、ログイン情報がわからない場合の現実的な対処法を4つご紹介します。

メールアドレスが使えるならパスワードを再設定する

サブスクサービスの多くは、「パスワードを忘れた場合の再発行リンク」をメールで送信する仕組みになっています。

故人のメールアカウントにアクセスできる場合は、そのアドレスを使ってログイン情報を再設定できる可能性があります。

ただし、以下のような注意点もあります。

  • メールアドレスがキャリア(@docomo.ne.jpなど)の場合、回線契約が切れるとログインできなくなる可能性があるため早めの確認が必要
  • 多要素認証を設定していた場合、スマホのSMSや認証アプリが使えないと再設定できないことも

そのため、携帯電話やスマホ回線の契約を解約手続きするのは、本当に解約してしまっても問題ないか確認できるまで保留するのが安全策です。

なぜなら、電話番号のSMSで本人確認を求められる場合があり、解約してしまうとその手段が使えなくなってしまうからです。

真っ先に契約を停止してしまうと、それによって本人確認が困難になり、遺族が代わりにログインすることも不可能になる場合があります。

もし故人のメールアカウントにアクセスできない場合でも、運営会社に問い合わせることで対応してもらえるケースがあるので、本記事の「死後にサブスクを解約する際の基本的な流れ」を参考に、各運営会社の窓口に問い合わせてみてください。

支払い方法を止める強制解約は最終手段

どうしてもログイン情報がわからず、かつサービス元にも連絡できない場合の最終手段としては、支払いそのものを止めるという方法があります。

  • クレジットカード会社に連絡してカードを停止・解約する
  • 銀行に死亡届を提出し、故人名義の口座を凍結する

この方法により、サブスクの自動引き落としは停止されます。

一定期間利用料金が未納のままになると、契約は強制的に解約扱いとなるケースもあります。

ただしこの方法には2つのリスクがあります。

  1. 利用規約によっては「遅延損害金」や「違約金」が発生する恐れがある
  2. サブスク内のデータが完全に削除される可能性がある

特に、法人向けや高額サービスでは滞納による金銭的リスクが大きくなることもあるため、「放置していれば自然に消える」ものではないという点には注意が必要です。

また、サブスクに保存されていた写真・動画・連絡先など、大切なデジタルデータが解約と同時に消失する恐れもあるため、できる限り他の手段での解約を優先しましょう。

また、料金を未払いの状態にすることで、サービス提供会社から料金未納のハガキや請求書が届くことがあります。そこで初めて故人がサブスク契約していたことを知るというケースも少なくありません。

ハガキは無視せずに中身を確認し、必要に応じて解約手続きを済ませましょう。

故人のデバイスがロックされて開けない場合はどうする?

故人のスマホやパソコンがロックされたままだと、サブスクの契約状況やログイン情報を確かめるのが非常に困難になります。

しかし、端末にロックがかかっていて操作できない場合でも、状況によっては対処が可能です。完全に諦める前に、以下の方法を試してみてください。

iPhoneの場合

iOS 15.2以降には、「デジタル遺産アクセス機能」が導入されています。

生前に「信頼できる連絡先(遺族)」として登録されていれば、死亡後にApple IDへのアクセスを申請することが可能になるという仕組みです。

ただし、事前に設定されていなかった場合は、基本的にAppleがロック解除に応じることはありません。裁判所命令や公的証明書が必要なケースもあり、個人での手続きは極めてハードルが高くなります。

故人のApple Accountを使っているデバイスのアクティベーションロックを解除するお手伝いもできますが、その場合、そのiPhone、iPod、iPadはいったん工場出荷時の設定に復元してからでないと別のApple Accountでは使えません。パスコードでロックされているデバイスはパスコード暗号化で保護されているため、デバイスを消去しない限り、Appleではパスコードの解除をお手伝いすることができません。

セキュリティ対策のため、Appleでは、故人のアカウントにまつわるサポートを承る際には、事前に法的書類をご提出いただき、審査いたします。一般には、死亡証明書をご用意いただくことになりますが、場合によっては、裁判所命令やその他の書類も必要になります。

引用元:亡くなったご家族のApple Accountへのアクセスを申請する方法|Appleサポート

Android端末の場合

Googleは、「非アクティブアカウントマネージャー」という機能を提供しています。

これにより、生前に指定された相手にアカウント情報を引き継ぐことが可能ですが、やはり設定がなければ情報取得は困難です。

また、「故人のアカウントのリクエスト」を行うこともできます。

これによってパスワードやログイン情報を知ることはできませんが、Google側が適切であると判断した場合にのみ、故人のGoogleアカウントからデータや一部の情報を得ることができます。

多くの方々がご自身のオンライン アカウントの管理方法について明確な指示を残さないままお亡くなりになっています。Google では、ご家族や代理人の方と連絡を取って、適切であると判断した場合には、故人のアカウントを閉鎖します。場合によっては、故人のアカウントからコンテンツを提供することができます。これらすべての場合において、Google ではユーザーの情報のセキュリティ、安全性、プライバシーを守ることを主な責務とします。パスワードや他のログイン情報をお伝えすることはできません。故人のお客様に関するリクエストにお応えするかどうかは、慎重な審査のうえ決定されます。

引用元:故人のアカウントに関するリクエストを送信する|Googleアカウント ヘルプ

パソコンの場合(Windows / Mac)

ログインパスワードがわからない状態でも、一定の技術を持った業者に依頼することでHDDやSSDからデータを取り出せる可能性があります。

なお、無理にパスワード解除を試みたり、初期化してしまうと、中のデータを消してしまうリスクがあるため、慎重な対応が必要です。

不安な場合はデジタル遺品整理専門のサービス業者に依頼するのが安心

「契約情報が見つからない」「ログインできない」「デバイスがロックされている」

そうした状況では、無理に自分たちで対応しようとすると、かえって大切なデータを失ってしまう可能性があります。

そこで頼りになるのが、デジタル遺品整理に対応した専門サービスです。

信頼できる専門業者に依頼することで、以下のような対応が可能になります。

  • 故人のPCやスマホを解析し契約中のサブスクを調査
  • ロック解除やHDDからのデータ抽出
  • 解約に必要な書類の案内・手続き代行
  • 残されたデジタルデータの整理と引き渡し
  • その他にもデジタル資産がないか調査

特に「何から始めればいいのかわからない」「気持ちの整理がつかず手続きに手がつかない」と悩む方にとっては、専門知識を持ったプロに一括で任せられるのでおすすめです。

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サブスクと相続の関係は?損しないために知っておくべき3つのポイント

故人が契約していたサブスクは、相続にも関わる重要な要素のひとつです。

「小額だから気にしなくていい」と思われがちですが、実際には相続放棄に影響を及ぼしたり、資産価値を持つ場合もあるため、注意が必要です。

ここでは、サブスクと相続の関係性について、知らずに損をしないために押さえておくべき3つのポイントを解説します。

相続放棄ができなくなるケースに注意

本記事の「放置するとどうなる?解約しないと起こる5つのリスク」でも簡単に解説しましたが、改めて相続放棄ができなくなるケースについておさらいしましょう。

民法では、相続放棄は「自己のために相続があったことを知った日から3か月以内」に、一切の財産に手を付けずに家庭裁判所に申述する必要があると定められています。(民法915条)

しかし、次のような行為をしてしまうと、相続放棄が認められなくなるおそれがあります。

  • 故人のクレジットカードや口座でサブスクを支払った場合:遺族が自動引き落としに気づいていながら支払いを続けた場合は、相続財産の使用と見なされる可能性があります。
  • 故人のアカウントでサブスクを継続利用した場合:NetflixやAmazonプライムなどを遺族が使い続けると「故人の財産を使用した」と判断されることがあります。
  • 故人が契約していた収益型サービスからの入金を受け取った場合:たとえばYouTubeやnoteなどのアカウントから振り込まれた報酬を受け取った場合、財産の取得とみなされるリスクがあります。

相続放棄を検討しているなら、相続放棄が受理されるまで、支払いやサービスの利用を一切しないでおくのが無難です。

確実に対処したいなら、相続の専門家やデジタル遺品整理のプロに相談するのも選択肢の一つです。

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利益が出るサブスクは相続財産にもなり得る

多くのサブスクは「費用を払って使うサービス」ですが、中には資産的価値や収益性を持つサブスク関連の契約も存在します

たとえば、以下のようなケースには、資産価値や収益性があるため、相続財産として扱われる可能性があります。

  • Google DriveやDropboxなど、クラウドストレージにビジネス用のファイルや販売データが保管されている場合
  • 有料会員制のWebサービスやアプリなど、課金収益が発生する運営プラットフォーム
  • サブスク型の仮想通貨の積立契約やNFTのウォレット管理プラン

これらは契約そのものは「サブスク」でも、これらの中身に収益がある・価値があると判断されれば、中に含まれるデジタル資産が「相続財産」として扱われることになります。

たとえば、アフィリエイト収益を得ているブログやYouTubeチャンネルがサブスク型のサーバーで運営されている場合もこれに該当します。

収益が発生している場合、相続税の課税対象にもなり得るため、放置せずに契約内容を確認する必要があります。

故人が契約していたサブスクを正しく引き継ぐには“見える化”が重要

見落としやすいサブスクを適切に把握し、安全に解約や引き継ぎを行うためには、「契約情報の見える化」が重要です。

たとえば以下のような方法があります。

  • エンディングノートや契約リストにまとめておく
  • 家族と定期的にサブスク情報を共有する
  • パスワード管理アプリにアカウント情報を保存する

こうした備えがあるだけで、残された家族の負担を大きく減らすことができます。

また、事前にデジタル遺産整理サービスや死後事務委任契約を活用しておくと、よりスムーズな相続対応が可能になります。

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契約者が亡くなった後のサブスク解約に関するよくある質問

ここからは、死後のサブスク解約に関するよくある質問やお悩みに回答します。

クレジットカードや口座を止めればサブスクは自動で止まる?

支払いが滞れば、サービス提供側はアカウントを停止しますが、「解約」にはならず契約が継続されることがあります。

未払い分に対する遅延損害金が発生する可能性もあるため、支払い停止したからといって放置しておくのは危険です。

支払いを止めると、料金未納のハガキや通知が届くことがあるので、内容を確認し、正式に解約手続きを完了させるようにしましょう。

サブスク無料体験の自動課金はどう扱われる?

無料体験でも、解約しなければ「本契約扱い」となり、料金が発生し続けます。

多くのサブスクでは、「30日間無料」などのキャンペーンを実施しており、解約の申し出がなければ自動的に有料契約へ移行する仕組みが一般的です。

このため、契約者が亡くなった後でも、無料体験中に解約されなければ自動で課金がスタートしてしまいます。遺族が気づかなければ、誰も使っていないサービスにお金を払い続けることになるので、注意が必要です。

誰にもわからないまま請求され続けることはある?

はい、現実に起きています。家族が気づかず、口座から引き落とされ続けているケースは少なくありません。

契約情報や請求情報が契約者本人のメールアドレスにしか届かない場合、遺族が契約の存在にまったく気づかないこともあります。

家族が気づきにくいケースとして以下のようなものが挙げられます。

  • ネットバンキングで紙の通帳が存在せず、家族が明細に気づかない
  • メールアドレスやスマホにロックがかかっていて通知が見られない
  • 年間契約で、請求が1年に1度のため家族が気づきにくい

ある家族は、故人のSpotifyアカウントで毎月980円が引き落とされ続けていたことに、PayPay連携から初めて気づいたというケースもあります。

サブスクが解約できないとき誰に相談すればいいの?

契約しているサブスクが判明している場合は、サブスクの運営会社に問い合わせましょう。

各サービスの問い合わせフォームや電話窓口から「契約者死亡による解約」として連絡してください。

必要書類を提出することで、契約者本人以外の解約手続きを受け付けてくれる場合がほとんどです。

契約しているサブスクがわからない場合や、ログインできない場合には、デジタル遺品整理の専門サービスに相談するのが確実です。

サブスク契約に関するお困りごとだけでなく、SNSアカウントや金融資産の調査なども一括で任せることができます。

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まとめ

ご家族が亡くなった後、どんなサービスに契約していたのかも分からないまま、見知らぬサブスクの請求が続いているかもしれません。

「どうやって解約すればいいかわからない」「何のサブスクを契約しているか知る術がない」

そんな不安を抱えている方も多くいらっしゃるでしょう。

実際、サブスクの多くは契約者が死亡しても自動で解約されず、通知もないまま料金が引き落とされ続けます。

しかし、適切な手順を踏めば、家族が代理で解約することは十分可能です。

まずは、以下の3つのステップを試してみてください。

  1. 故人の【スマホ・パソコン】や【クレジット明細・口座明細】から契約中のサービスを洗い出す
  2. わからない場合は【メールアドレス】を使って再設定を試す or カスタマーサポートに連絡する
  3. ログインできない・書類がそろわないなどでお困りの場合は、専門サービスに相談するのも手段のひとつ

「契約の特定ができない」「デバイスがロックされていて中が見られない」「どこから手をつけていいかわからない」そんなときは、プロによるデジタル遺品整理サービスの利用が選択肢になります。

デジタル資産バトンでは、

  • パスワードが分からない端末の解析
  • サブスクや口座、オンラインサービスの特定と解約サポート
  • ご遺族に代わっての手続き代行

など、遺族の手間と不安を最小限にするサポートが整っています。

突然のことで何から始めたら良いか分からない方こそ、1人で抱え込まずにまずはプロに相談してみてください。

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