葬式費用に備える葬儀保険とは?家族を守るための仕組みと選び方

043

人生の最後を迎えるとき、家族にかかる負担の大きさは想像以上です。特に、葬式費用は数十万円から百万円以上かかることもあり、突然の出費に家族が困るケースも少なくありません。近年では、葬儀の形態が多様化して、直葬や家族葬などの小規模葬も増えています。

しかし、規模に関わらず、費用がかかることに変わりはありません。葬式の平均費用は、全国平均で約150万円前後と言われており、都市部ではさらに高額になる場合もあります。こうした背景から、葬式費用を事前に準備しておくことは非常に重要です。

現金を積み立てる方法もありますが、保険を活用することで、負担をさらに軽減することが可能です。今回の記事では、葬式に備える保険の種類や選び方、メリット・デメリット、活用法、さらには実際の手続きまで、詳しく解説します。家族に経済的な負担をかけず、安心して備えるための知識を身につけましょう。

目次

葬式費用の実態と保険の必要性

Image

葬式を行う際には、多くの費用が発生します。葬式費用は、単に式場代や祭壇代だけでなく、会食費や花・供物、返礼品など、さまざまな項目に分かれています。合計すると、数十万円から百万円以上になることも珍しくありません。地域や葬儀の規模、参列者の人数によって大きく変動するため、事前に把握しておくことが重要です。

特に、都市部で一般葬を行う場合、平均で150万円以上かかることもありますが、地方や小規模な家族葬では、70万円前後に抑えられることもあります。このように、葬式費用には幅があるため、家族に過剰な負担をかけないためにも、費用の内訳や特徴を理解しておくことが大切です。

葬式費用の内訳

葬式費用は、複数の主要な項目に分けて、考えることができます。まず「葬儀社費用」ですが、これは式場の使用料やスタッフの人件費、祭壇の設営費用などを含みます。葬儀社によって、料金体系が異なるため、事前に複数社から見積もりを取り、内容や費用を比較することが重要です。

次に「式場費」です。葬儀を行う会場のレンタル費や控室の使用料などがこれにあたります。ホテルやホールでの葬儀では、会場のグレードによって料金が大きく変動するため、希望する規模や設備に応じて選ぶ必要があるでしょう。

また「会食費」も大きな割合を占めます。参列者への飲食費や香典返し、法要時の食事代などが含まれており、参列者の人数によって、総額が大きく変わることがあります。

葬儀の装飾に関わる費用も無視できません。「花や供物」として、祭壇を飾る花や供花、仏具などが必要です。装飾を豪華にすればするほど、費用は増えるため、予算とのバランスを考えて選ぶことが大切です。

最後に「返礼品」です。参列者に感謝の気持ちを示すための品物で、一般的には1人あたり3,000円から5,000円程度が相場です。一方で、参列者が多い場合は、総額が大きくなるため、あらかじめ人数と予算を確認して準備することが必要です。

これらの項目を総合的に考慮することで、葬式全体の費用を把握して、無理のない予算で準備が進められます。

項目内容費用の特徴・目安
葬儀社費用式場使用料、スタッフ人件費、祭壇設営費などがある。葬儀社ごとに料金差があるため、複数の見積もりが重要になる。葬儀社によって幅が大きい
式場費会場レンタル費、控室使用料など。ホテルやホールのグレードによって、変動する。会場の種類と立地で変動する
会食費参列者への飲食費、香典返し、法要の食事代などが該当する。参列者数によって変わる。人数に比例して増減する
花や供物祭壇花、供花、仏具などがある。装飾が豪華になるほど高額になる。内容・規模に応じて、変動する
返礼品参列者へのお礼の品。一般的には、1人あたり3,000〜5,000円程度になる。参列者数が多いほど、費用が増加する
総費用の目安都市部の一般葬:150万円以上/地方や小規模家族葬:70万円前後地域・規模により大きく異なる

葬式費用の変動と今後の見通し

ここ10年の葬式費用の傾向を見ると、平均費用は緩やかに上昇しています。理由としては、少子高齢化による家族構成の変化や、人件費・物価の上昇が原因です。また、家族葬や直葬の増加により、葬式費用のばらつきも大きくなっています。

将来的には、さらに物価上昇や式場費の高騰が予想されるため、早めの備えが重要です。葬儀費用を事前に準備しておくことで、家族への経済的な負担を、最小限に抑えられるでしょう。

葬儀保険の必要性

葬儀費用の備えは、避けて通れない課題の一つです。突然の出費となることが多く、遺された家族に大きな負担を与えるケースも少なくありません。そうした負担を軽減するために、あらかじめ資金を準備しておくことが大切です。

備え方には主に二つの方法があります。一つ目は「現金での積立」です。これは、自身で毎月一定額を貯蓄して、将来の葬儀に必要な資金を準備する方法です。少額でも長期間続けることで、必要な時にまとまった資金を確保できます。計画的な備えが可能になるでしょう。

二つ目は「保険で備える」方法です。これは、現金積立とは異なり、予期せぬ時期に亡くなっても、確実に資金を準備できる点がメリットです。家族に経済的な負担を残さず、安心して葬儀を行えることが期待できます。

また、保険を活用することで、将来的な物価上昇や予想外の出費にも対応しやすくなります。現金積立と組み合わせることで、より確実で安心な資金準備ができるでしょう。

項目内容
葬儀費用の重要性突然の出費になりやすく、遺族の負担を軽減するために、事前の資金準備が必要になる
現金での積立・毎月一定額を貯蓄して、将来の葬儀費用を確保する ・少額でも長く続ければ、まとまった資金になる ・自身のペースで計画的に備えられる
保険での備え・亡くなる時期に関係なく、資金を確実に準備できる ・家族の経済的な負担を軽減する ・物価上昇や予想外の出費にも対応しやすい
併用のメリット現金積立と保険を組み合わせることで、確実かつ安心な備えが可能になる

葬儀に活用できる保険の種類

Image

葬式にかかる費用を事前に備える方法として、保険を活用することが注目されています。葬式費用は、想像以上に高額になりやすく、現金だけで準備するのは難しい場合もあります。そのため、生命保険や葬儀専用の保険を利用して、必要な費用を確実に準備しておくことが安心につながります。

葬儀保険にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。ここでは、一般的な生命保険、葬儀専用保険、そして民間保険と公的制度の違いについて、詳しく見ていきましょう。これにより、どの保険が自身や家族にとって最適なのかを理解しやすくなります。

生命保険

一般的な生命保険は、契約者が亡くなった際に、契約時に指定した受取人に死亡保険金が支払われる仕組みです。葬式費用の準備を目的として生命保険を活用する場合、受取人には通常、配偶者や子どもなど、葬儀を取り仕切る家族を指定することが一般的です。これにより、死亡時に必要な資金が確実に用意できます。残された家族が、葬儀費用のために急な出費に追われるリスクを軽減できるでしょう。

生命保険を葬式費用に活用する大きなメリットの一つは、保険金の使い道が自由である点です。死亡保険金は、葬式費用だけでなく、残された家族の生活費や借金の返済、住宅ローンの支払いなど、さまざまな目的に利用できます。この柔軟性により、万が一の際にも、家族の経済的負担を最小限に抑えられるのです。

一方で、保険金を葬式費用に充てる際には、事前に家族と相談しておくことが重要です。受取人が自由に使える資金であるため、使途について明確な合意がないと、家族間で意見が分かれたり、トラブルに発展したりする可能性があります。そのため、保険契約の際には「葬式費用に充てることを想定している」と家族に伝えておくことが望ましいです。

また、葬式費用をカバーするために必要な保険金額は、地域や葬儀の規模によって変わります。加入前に葬儀にかかる費用を概算しておくことで、過不足のない保険金額を設定できるでしょう。

生命保険を活用することで、葬式費用の準備を効率的に行えるだけでなく、家族の経済的・精神的負担を軽減することが可能です。また、保険契約や金額の設定、家族との事前調整といったポイントを押さえておくことが、安心して活用するためのカギになります。

項目内容
生命保険の基本契約者が亡くなった際に、指定した受取人に死亡保険金が支払われる仕組み
葬式費用への活用受取人を配偶者や子など、葬儀を取り仕切る家族に指定することで、死亡時に確実な資金を確保できる
メリット・保険金の使い道が自由(葬儀費用・生活費・借入返済などに利用可能) ・万が一の際に、家族の経済的負担を軽減できる
注意点・保険金は受取人が自由に使えるため、事前に「葬式費用に充てる」目的を家族で共有しておくことが重要 ・使途を巡る家族間トラブルを防止できる
保険金額設定の目安地域や葬儀規模によって、必要額が異なるため、加入前に概算して過不足のない金額を設定する
総合的な利点生命保険を活用することで、葬儀資金を効率よく準備できる。家族の経済的・精神的負担を軽減できる

葬儀保険

葬儀保険は、葬儀費用に特化した商品で、一般的な生命保険とは異なり、給付金の使途が明確で、葬式費用に限定されていることが特徴です。このため、葬儀にかかる費用を効率的に準備できます。保険料は、比較的少額で設定されており、加入できる年齢も幅広く設けられています。そのため、シニア層でも無理なく加入できることが多いです。

一方で、葬儀保険の給付金額は、一般的に必要最低限の葬式費用を想定して設定されていることが多く、豪華な葬儀や規模の大きな家族葬などには、不足する場合があります。そのため、加入前に地域の葬儀費用や希望する葬儀の規模を確認して、必要に応じて、他の資金と組み合わせることが大切です。保険加入時には、契約内容をよく確認して、受取人や給付条件について家族と共有しておきましょう。

項目内容
葬儀保険の特徴葬儀費用に特化した保険で、給付金の使い道が葬式費用に限定されている点が特徴
利点・比較的少額の保険料で、加入が可能になる ・加入可能年齢が広く、シニア層でも加入しやすい ・葬儀費用を効率的に準備できる
注意点・保険金額は、必要最低限の葬儀費用を想定しなければならない ・規模の大きな葬儀には、不足する可能性がある
加入時の確認ポイント・地域相場や希望葬儀の規模を確認する ・不足分は他の資金(貯蓄・生命保険など)と組み合わせて補う ・契約内容・受取人・給付条件を家族と共有する

民間保険と公的制度の違い

Image

葬式の費用を準備するには、「公的な制度」と「民間の保険」の両方を理解しておくことが重要です。まず、公的制度としては、国民健康保険や社会保険から支給される「葬祭費」があります。これは、被保険者が亡くなったときに、葬儀を行った家族や喪主に支払われる給付金です。支給額は、自治体や加入している保険の種類によって異なりますが、一般的には、3万円から7万円程度が多く、葬式費用の全額をまかなうには足りません。

そこで、不足分を補うために利用されるのが「民間の葬儀保険」です。民間保険では、希望する保険金額を設定できるため、葬儀の規模や内容に合わせて柔軟に備えられます。たとえば、一般葬の費用をしっかり確保したい場合や、家族葬や直葬など、小規模な葬儀に合わせた金額を準備したい場合など、それぞれの事情に応じて選ぶことが可能です。

また、公的制度と民間保険を併用することで、費用計画はより現実的になります。公的な「葬祭費」で一部をまかない、残りを民間保険で補う形にすれば、急な出費にも対応しやすくなります。民間保険の給付金は、使い道が自由なため、葬儀費用だけでなく、当面の生活費や医療費などに充てることもできるでしょう。

葬儀保険を選ぶときのポイント

Image

葬儀保険を選ぶ際には、ただ保険に加入すれば安心というわけではありません。保険の種類や保障内容、契約条件によって、家族にとっての実際の安心度は大きく変わります。

特に重要なのは、必要な保険金額の設定や保険期間、支払い方法、契約条件の確認です。これらを適切に検討することで、過不足なく葬式費用をカバーできます。

ここでは、葬儀保険を選ぶときに押さえておきたいポイントについて、詳しく解説します。どのように保険金額を設定すべきなのか、契約時の注意点などを知ることで、自身に合った保険選びが行えるでしょう。

  • 保険金額の設定

葬式費用の平均額を参考に、保険金額を設定することが大切です。たとえば、家族葬の場合は70万円程度、一般葬の場合は150万円前後を目安にすると安心です。また、希望する葬儀の形式や参列者の人数も考慮しましょう。

  • 保険期間と支払い方法

保険には終身型と定期型があります。終身型は生涯にわたって保障が続きますが、保険料は高めです。定期型は、期間限定で保障されますが、保険料は抑えられます。ライフスタイルや負担感を考慮して、選ぶことが重要です。

  • 契約条件や注意点

保険には解約返戻金、免責事項、年齢制限などがあります。契約前に条件を確認して、家族とも情報を共有しておくことが大切です。保険金受取の手続きや時期も把握しておくと、万が一の時にもスムーズに活用できます。

葬式費用を抑える方法と保険の併用

Image

葬式費用は、式の規模や内容によって大きく変動します。そのため、費用を抑える工夫と、保険を上手に活用することが重要です。無理に高額な葬儀を選ぶ必要はありませんが、家族への負担を最小限にしつつ、適切な形式で送るための準備が求められます。

ここでは、葬式費用を節約する方法として、葬儀社選びのポイントや葬儀形式ごとの特徴、効率的な備え方について、簡単に紹介します。賢く準備することで、経済的にも精神的にも安心できる葬儀が可能になるでしょう。

葬儀社選びでの節約ポイント

葬儀費用を抑えるためには、まず葬儀の形式を検討することが重要です。最も費用を抑えられるのは「直葬」で、通夜や告別式を行わず、火葬のみで見送る方法です。儀式を省略するため、会場費や人件費がほとんどかからず、経済的な負担を大きく減らせます。

一方で、家族や親しい人だけで行う「家族葬」は、一般葬よりも参列者が少ない分、会場規模や供花・返礼品の費用を抑えやすい点が特徴です。伝統的な「一般葬」は、費用が高くなる可能性がありますが、社会的なつながりを大切にする場合や、弔問者が多いと想定される場合には、適した形式になります。

どの形式を選ぶ場合でも、不要なオプションを避けて、複数の葬儀社から見積もりを取って、比較することが大切です。サービス内容や料金体系には、大きな差があるため、事前に確認しておくことで、無駄な出費を防ぎつつ、納得のいく葬儀が行えるでしょう。

項目内容
費用を抑える基本葬儀の形式を検討して、希望や予算に合った方法を選ぶことが重要
直葬(火葬式)・通夜、告別式を行わずに、火葬のみで見送る形式 ・会場費、人件費がほとんど不要 ・最も費用を抑えられる方法
家族葬・家族や親しい人だけで行う小規模な葬儀 ・会場規模や供花、返礼品の費用を抑えやすい – 費用と儀礼のバランスを取りやすい
一般葬・多くの弔問者を迎える伝統的な形式 ・会場や接待費がかさみ、費用が高くなる ・社会的つながりを重視する場合に適する
費用を抑える工夫・不要なオプションを省く ・複数の葬儀社から見積もりを取り比較する ・サービス内容と料金を事前に確認する

葬儀保険の手続きと受取方法

Image

葬儀保険を活用するためには、契約時から受取までの流れを正しく理解しておくことが大切です。手続きが不備のままだと、実際に必要な時に、保険金の支払いが遅れることがあります。

  • 契約時の注意点


まず、申込書の記入は正確に行いましょう。氏名や住所、受取人の情報に誤りがあると、後の請求手続きで時間がかかる場合があります。申込時には、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)を提出して、契約内容をよく確認しておくことが重要です。

特に確認すべき点は、保険金の金額、支払事由、受取人の指定、保険料の払込期間などです。これらをあいまいなまま契約してしまうと、後々トラブルにつながるおそれがあります。また、契約後に届く「保険証券」は非常に重要な書類です。家族がすぐに見つけられるように、保管場所を共有しておくことが望ましいでしょう。

  • 保険金受取の流れ


被保険者が亡くなった際には、保険会社に連絡を入れて、所定の手続きを行います。必要な書類としては、一般的に「死亡診断書」「保険証券」「受取人の身分証明書」「保険金請求書」などが求められます。書類がそろい次第、保険会社の審査を経て、保険金が支払われます。

手続きにかかる期間は、通常であれば2〜4週間程度ですが、書類に不備がある場合や追加確認が必要なときは、1か月以上かかることもあります。スムーズに受け取るためには、あらかじめ家族と相談して「受取人名義の口座」や「提出書類の所在」を明確にしておくと良いでしょう。

複数の保険に加入している場合は、どの契約にどのような保障があるのかを一覧化しておくと、手続きの漏れを防げます。最近では、保険会社によってオンラインでの請求受付や、必要書類の簡略化が進んでいるため、契約時に確認しておくと安心です。

項目内容
基本の流れ契約 → 保険証券の保管 → 被保険者が亡くなったときに連絡・請求 → 保険金の受け取り
契約時のポイント・申込書は正確に記入する(氏名・住所・受取人の情報を誤記しない) ・本人確認書類を提出する(運転免許証やマイナンバーカードなど) ・保険金額、受取人、支払条件などを契約前に確認する
保険証券の扱い契約後に届く保険証券は重要書類になる。家族がすぐ見つけられるように、保管場所を共有する
保険金請求の手順・保険会社へ連絡 ・必要書類の提出(死亡診断書・保険証券・請求書・身分証明書など) ・書類確認後、保険金が支払われる
かかる期間の目安通常2〜4週間。不備があると、1か月以上かかることもある
スムーズに進めるコツ・家族と受取口座や書類の場所を、事前に共有する ・複数保険に加入している場合は、一覧にまとめる ・契約時に、オンライン請求対応の有無も確認しておく

デジタル遺品業者の活用で葬儀後も安心

Image

葬儀や相続の手続きが一段落したあとに残るのが、スマートフォンやパソコンの中にある「デジタル遺品」です。銀行口座の情報、ネット証券のログインID、SNSやクラウド上の写真など、現代では多くの資産や思い出がデジタル上に存在しています。しかし、パスワードが分からず、アクセスできなかったり、放置されたまま情報漏れのリスクが生じたりすることも少なくありません。

こうした課題に対応するため、専門の「デジタル遺品業者」を活用する人が増えています。データの確認や削除、相続に必要な情報の整理を代行してもらうことで、家族の負担を軽減して、安心して次の手続きへ進めるようになるでしょう。

デジタル遺品業者とは?死後のオンライン資産を整理する専門家

現代では、銀行口座や証券、暗号資産、SNSやメールアカウントなど、故人が残す「デジタル遺品」が増加しています。こうした資産は、葬儀や相続と同時に整理する必要がありますが、家族だけで対応するのは非常に困難です。

デジタル遺品業者は、こうしたオンライン上の資産やアカウントを整理・削除・移管する専門サービスになります。専門的な知識を持つ業者が、故人の意向や家族の状況に合わせて、手続きを代行します。これにより、家族の精神的・時間的負担を大幅に軽減できるのです。

葬儀後の手間を減らす!デジタル遺品整理の具体的サービス

デジタル遺品業者が提供するサービスは、多岐にわたります。主な業務に挙げられるのが、ネット銀行や証券口座の整理です。死亡後に家族がアクセスできない金融口座について、業者が残高の確認や解約、資産の移管手続きを代行します。これにより、遺族が煩雑な金融機関とのやり取りに時間を取られることを防げます。

また、暗号資産の管理もデジタル遺品業者の重要な分野です。仮想通貨ウォレットや暗号資産の残高を確認して、相続人に安全に移管するためのサポートを行います。専門的な知識が必要な領域であるため、専門業者の関与によって、資産の紛失や不正アクセスのリスクを回避できます。

さらに、SNSやメールアカウントの整理も、デジタル遺品業者の主要な業務です。故人の個人情報が外部に漏れることを防ぐために、不要なアカウントの閉鎖や設定変更を行います。故人のプライバシー保護と家族の安心につながります。

デジタル遺品業者は、最後に、作業内容をまとめた「デジタル遺品整理報告書」を作成します。どのアカウントを削除して、どの資産を移管したのかを明確に記録するため、家族が整理状況を一目で把握できるようになります。

保険だけでは不十分?デジタル遺品管理も含めた総合的な備え

葬儀保険で葬儀費用を準備しても、デジタル遺品の整理が滞ると、家族に追加の負担がかかります。現金や保険金で葬儀を行った後も、銀行口座や投資資産、ネットサービスの手続きを遺族が行う必要があるためです。

保険とデジタル遺品整理を組み合わせることで、費用面と手続き面の両方をカバーできます。「保険」で経済的負担を軽減して、「デジタル遺品業者」で手続きの負担を軽減できるのです。この二本柱を整えておくことで、家族が安心して故人を見送ることが可能になるでしょう。

デジタル遺品整理の費用と選び方のポイント

デジタル遺品整理の費用は、整理の対象やサービス範囲によって大きく異なります。スマートフォンやパソコン内のデータ削除などの簡易整理なら、数万円程度で済むことが多いです。一方で、ネットバンク口座や暗号資産の確認・管理までを含むフルサポートの場合は、それ以上の金額が必要になると考えておきましょう。

業者を選ぶ際には、信頼性と実績を確認することが重要です。口座の整理、SNSやメールの管理、暗号資産の対応など、自身の希望する項目が含まれているのかを、事前に把握しておくことが大切です。

料金体系や追加費用の有無、契約後のサポート内容を明確にしておくことで、予期せぬトラブルを防げます。事前に情報を共有することで、葬儀後の混乱や手続きの重複も避けられます。

まとめ

Image

葬儀は人生の最期を見送る大切な儀式である一方で、残された家族にとっては、経済的・精神的な負担が大きくのしかかる場面でもあります。突然の出来事に直面したとき、費用の手配や手続きに追われて、心の整理がつかないまま、時間だけが過ぎてしまうケースも少なくありません。

そのような負担を軽くするためには、葬儀保険をはじめとした対策です。「費用の備え」をすることが大切です。あらかじめ、保険金で葬儀費用をまかなえるようにしておけば、遺族が慌てて、資金を用意する必要はなくなります。

さらに、契約内容や保険証券の保管場所を共有しておくことで、受取手続きも円滑に進められます。一方で、現代では「お金の準備」だけでは十分ではありません。ネット銀行口座、証券、暗号資産、SNSなど、故人が残すデジタル遺品の存在が大きくなっています。

これらの情報を放置すると、資産の喪失や個人情報の漏洩につながる恐れがあります。そこで注目されているのが、デジタル遺品業者の存在です。専門知識を持つ業者が故人のデジタル遺品を安全に整理・移管することで、家族の負担を大幅に減らせます。

葬儀保険で費用面の安心を確保して、デジタル遺品業者で手続き面の不安を解消することで、家族が落ち着いて葬儀を行い、故人を心から見送る時間を持てるでしょう。経済的な安心と、手続きの安心の両方を整えることが、これからの時代に求められる「終活の準備」です。

この記事の監修者

 

石坂貴史

マネーシップス運営代表・FP

証券会社IFA、2級FP技能士、AFP、マネーシップス運営代表者。デジタル遺品や相続をはじめとした1,100件以上のご相談、記事制作、校正・監修を手掛けています。金融や経済、相続、保険、不動産分野が専門。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポートいたします。

目次